第二話 ページ5
昼休み。
私達のクラスに、銀島君と侑がやってきた。
五人でくっつけた机を囲むように座り、弁当を開く。
クラスメイトは遠巻きにこちらを見ながら、にやにやとしていた。
気持ちはわかる。
いただきます、と手を合わせてから、作戦開始。
『あ、そういえば倫太郎って愛知出身なんだっけ』
「！」
「そうだけど、なに？」
『はい口開けて』
「は」
おもむろに名前呼びをすると、隣に座っていた侑が少し目を見開くのが見えた。
それをスルーして返事をする角名君に、箸でつかんだ玉子焼きをあーん。
これにも反応する侑。
いい感じだ、と内心ニヤリとしつつ、表面上は真顔でいる。
なお、銀島君がぎょっとして、宮君が笑ったのは無視の方向で。
「ん、美味。甘いやつだし」
『私も関東から来たからさ。この辺はダシが定番じゃん』
「あーなるほど」
「っっちょい待たんかい！！！」
「『え』」
突如叫んだ侑の声が教室に反響する。
最初から飛ばしすぎたかもしれない。
平然と会話を続けていたものの、早々に止められて若干驚く。
しーん、と静まり返った空間の中で、侑は更に言った。
「……いつからそない仲良うなってん」
いかにも不満そうに顔を顰めて、ぼそりと。
私達は顔を見合わせる。
初手で「あーん」はやりすぎだったか。
とはいえ、こんな早々にドッキリを止めるなんていう選択肢はなかった。
まだほとんど何も始まっていないのだ。
『いつからって言われても』
「元からこんなもんじゃない？」
少しの間をあけてそう答えると、「どこがやねん！！！」と再び叫んだ侑。
宮君が眉を寄せて「喧しいわツム」と諌める。
しかし、そんな声は耳に入らないようで、彼はみるみるうちに機嫌が悪くなった。
静まり返ったままの教室。
ガタン、と音を立てて座りなおす侑を、皆が見る。
思っていることは、多分皆一緒だ。
「『(…効果覿面すぎる)』」
こんなに作戦通りいくとは思わなかった。
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サラミ - 初コメ失礼します。もう設定から面白くて、どんどん読んでしまいました!!更新楽しみにしています。主様のペースで無理しないように頑張ってください!!!上から目線ですみません。 (2022年11月7日 21時) (
レス) @page18 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音琥
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/
作成日時：2022年11月2日 18時
