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第三話 ページ6

銀島君の取り成しによって、あの場はなんとか収まった。




放課後、いつもなら即座に部活に向かう二人が、その前に私の席へと寄ってくる。
何の用かと思えば、



「ちょっとこれ、届けに来てよ」



と角名君にタオルを渡されて、全てを察した。


作戦一の時の侑の様子は、まさに思い描いた通り。
嫉妬してくれた、と嬉しく思う反面、こうでもしないと彼の思いを確認できない現状が虚しくなる。

まだ、まだ。
もう少し。

彼の本音を探りたい、という心情の元、作戦の続行が決まったのだ。




『ん。早い方がいいよね』
「そうだね。」
『うい』



頷いてタオルを受け取り、部活に行く背を見送る。
そして私は少しタイミングをずらすために、教科書を開いて復習を始めた。



ヴーッヴーッ、とスマホが振動する音。
それを聞いて二十分のタイマーをセットしていたことを思い出し、急いで帰る支度を始める。

そして、角名君のタオルを持って教室を出た。




『すみません、倫太郎…角名君いますか』
「あ、A。どうしたの。」



体育館に着き、ひょこっと扉から顔を出して中に呼びかける。
遠くでサーブを打とうとしている侑に一瞬で視線が引き付けられた後、寄ってくる角名君に気付いた。

流石角名君。
呼んだら気付く位置に居てくれた。



『倫太郎。タオル、教室に忘れてったでしょ』
「あれ、ごめん、ありがとう」
『いえいえ。』



なんて、予定調和の会話をする。
届けにきて仲の良さを見せつける作戦だろうけど、これだけ距離があったら声までは聞こえてないかな。

**→←第二話



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サラミ - 初コメ失礼します。もう設定から面白くて、どんどん読んでしまいました!!更新楽しみにしています。主様のペースで無理しないように頑張ってください!!!上から目線ですみません。 (2022年11月7日 21時) (レス) @page18 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:音琥 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/  
作成日時:2022年11月2日 18時

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