Episode.31 ページ10
寮に戻ると、鏡の前でフロイドが待機していた。
……とはいっても勿論真ん前で、ではなく鏡のすぐ横の廊下に寄り掛かっていたのだが。
彼は、俺の姿を見た瞬間に顔を綻ばせた。
ぎゅうっと抱き着いてきて、「シャチちゃん先輩〜〜♡」とすり寄ってくる。
可愛いが、違和感を感じる。
『……………お前ら、またやってるのか。ジェイド、』
「……おや、バレてしまいましたか」
そう、彼らは入れ替わっていたのである。
魔法でわざわざ瞳の色を逆にして、それぞれ熟知している性格を真似る。
それは勿論半端じゃないほど本人に似ているのだが、俺はいまだに一度も見破れなかったことはない。
……………と、思う。
双子はこれまでも、何度も入れ替わりをしては俺を試してきた。
きっと、間違われることも多かったのだろう。
”自分”を見て欲しいという願いから、こういう行動を起こす双子も多いという。
彼らが本当にそうなのかは、判らないが。
『判るよ、そりゃあ。一年も一緒に居るんだ、当たり前だろう？』
くす、小さく笑ってジェイドを抱き上げる。
通りかかる寮生たちも、今では驚かなくなった。
……一年生以外。
前はまぁ驚かれたものだ。
あのリーチ兄弟を姫抱き…⁉と信じられないような目で見られたことも何度もあった。
ジェイドは嬉しそうに微笑んで、「他の人達は気付かないんですけどね…」と呟いた。
「真似は完璧な筈ですが……何故いつもA先輩を騙せないんでしょう？」
首を傾げ、疑問を口にするジェイド。
俺からすれば、ジェイドはジェイドでフロイドはフロイドだからいくら似ていても違和感があるのだが。
双子はそれでは納得がいかないらしい。
アズールの部屋につき、ジェイドをそっと立たせる。
ハクが同室になってから、四人で集まるのは自然とアズールの部屋になった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 324人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
音琥(プロフ) - はとむぎさん» ..御指摘、ありがとうございます。別作品の執筆に集中していて、この作品を見返したりもしないので 気付きませんでした..。 (2020年11月16日 5時) (
レス) id: 8bbe1295c7 (このIDを非表示/違反報告)
はとむぎ - Episode.42なんですが「ねぎらい」ではなく「まかない」では無いでしょうか？間違ってたらすみません<(_ _)> (2020年11月15日 23時) (レス) id: 3d5153ec2c (このIDを非表示/違反報告)
音琥(プロフ) - 水性lemon色彩さん» リクエストありがとうございます。書き次第更新しますね。...遅くなってしまったらすみません........。 (2020年7月6日 5時) (レス) id: 521022073c (このIDを非表示/違反報告)
水性lemon色彩(プロフ) - 恐れられているシャチ先輩が実は慕われてるというところが好きです！面白かったです。リクエストなのですが、ヴィルさんとシャチ先輩の絡みの話を見たいです。密かにルークさんからなんと呼ばれてるのか気になるのでそこもできたらお願いしたいです。 (2020年7月5日 18時) (レス) id: 0777cc0744 (このIDを非表示/違反報告)
音琥(プロフ) - ぐみさん» コメントありがとうございます。可愛いと思って頂けて良かったです....。 (2020年7月5日 6時) (レス) id: 521022073c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：音琥
| 作成日時：2020年7月3日 15時
