Episode.37_2 ページ23
___寮室____
到着。
そっとハクを彼のベッドに降ろし、はい、安定剤。と本を渡す。
渡しとくけど読むなよ?寝ろよ???
と念押しし、俺は部屋を出た。
ハクは体調が悪いとき、他人が同じ空間に居ると落ち着かないらしい。
『………………難儀な奴。』
かくいう俺も、気持ちは判らないでもないが。
廊下で小さく呟いた後、コロシアムに戻ろうと鏡へ歩き出す。
まぁ、戻ったところでもう何もないのだが。
三人にあんな視線向けられたらなぁ。
戻るしかないだろう。
___コロシアム____
ということで戻ってきた。
ら、俺の姿を見つけたフロイドが駆け寄ってきた。
ジェイド、アズールも歩いてこちらに向かってくるのが見える。
「シャチちゃん先輩〜〜♡」と走ってきた勢いのまま抱き着かれる。
そのまま流れるように姫抱きして二人を待つ。
『………………視線がうるせぇな。』
オクタヴィネル寮のみんなは慣れているからいちいち見てきたりしないが、寮じゃないところで抱き上げたりするとすぐこうである。
無遠慮にガン見してくるその他大勢に少し苛立っていると、フロイドが首に腕を回してきた。
珍し〜。シャチちゃん先輩が苛々してる。と言ったフロイド。
それが聞こえたらしい周りに居た人たちは少し気まずそうにした。
「………………場所を移しましょうか?」
やってきたアズールが、気を使ってくれてそういった。
いや、良いよ。と笑いかけ、一瞬フロイドを片手で支え彼の頭を撫でる。
更に視線が増えたのに気づき、思わず舌打ちをした。
…本当に珍しいですね。とジェイドが少し驚いた様子で言った。
『……………視線に込められている感情が腹立つモンばっかだからな。』
今日は生徒でない人も沢山来ている。
故に、俺や三人の外見が気に入ったのか知らないが下心があるとすぐわかる歓声や視線が、
必要以上に俺を苛立たせた。
察したのか、三人は苦笑いを浮かべる。
さぁ、さっさと退散してしまおう。
俺は三人と連れ立って寮へ向かった。
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音琥(プロフ) - はとむぎさん» ..御指摘、ありがとうございます。別作品の執筆に集中していて、この作品を見返したりもしないので 気付きませんでした..。 (2020年11月16日 5時) (レス) id: 8bbe1295c7 (このIDを非表示/違反報告)
はとむぎ - Episode.42なんですが「ねぎらい」ではなく「まかない」では無いでしょうか?間違ってたらすみません<(_ _)> (2020年11月15日 23時) (レス) id: 3d5153ec2c (このIDを非表示/違反報告)
音琥(プロフ) - 水性lemon色彩さん» リクエストありがとうございます。書き次第更新しますね。...遅くなってしまったらすみません........。 (2020年7月6日 5時) (レス) id: 521022073c (このIDを非表示/違反報告)
水性lemon色彩(プロフ) - 恐れられているシャチ先輩が実は慕われてるというところが好きです!面白かったです。リクエストなのですが、ヴィルさんとシャチ先輩の絡みの話を見たいです。密かにルークさんからなんと呼ばれてるのか気になるのでそこもできたらお願いしたいです。 (2020年7月5日 18時) (レス) id: 0777cc0744 (このIDを非表示/違反報告)
音琥(プロフ) - ぐみさん» コメントありがとうございます。可愛いと思って頂けて良かったです....。 (2020年7月5日 6時) (レス) id: 521022073c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:音琥 | 作成日時:2020年7月3日 15時