【呪術廻戦】雨を乞う。【男主】 (ページ31)

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合同ページ31

それから更に数日後。

俺が呪術高専に来てからそろそろ一ヵ月になる、という頃。
初めての合同任務である。

呪霊の級(レベル)が高いわけじゃないが、数が多いらしい。

悟も傑もダルそうにしていたが、俺の術式が見れるという点では嬉しそうだ。
そこで、一応訂正を入れる。

『いちいち雨乞(あまご)いなんてしてられないから、普段は呪具で戦うぞ俺は。』

大体、制服から白装束に着替えるのも面倒だし…と説明していれば、ガクンとテンションが落ちるのが目に見えてわかる。
オイサボろうぜとか何とか言い始めた悟に苦笑していれば、夏油まで、

「数が多いとは言え、三人は要らないだろうね。」

と言う。

そんなに見たかったのか、と驚いていると、話を聞いていた硝子が呟いた。

「A、諦めた方がいい。こうなったら梃子(てこ)でも動かないぞこいつらは。」

静かに頷いて同意する。
そこまで？と思いはするが、怠い任務の楽しみにされていたことは充分に理解した。

わかったわかった、使えばいいんだろ使えば。と言えば、満足そうに頷く二人。

任務前からこんな調子で大丈夫なんだろうか。

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一度寮に戻り、白装束に着替えて二人が待つ場所へ向かう。
いつもは結ってある髪を解いてあるからか、合流した時に悟が少し赤くなっていた。

補助監督さんに送られて、ついた場所は廃工場だった。

成程、呪霊がわんさか居そうな場所である。
口元に笑みをたたえているのに、興味がなさそうな二人はもはや俺の術式にしか意識が向いてないようだ。

「闇(やみ)より出(い)でて闇(やみ)より黒(くろ)く、その穢(けが)れを禊(みそ)ぎ祓(はら)え。」

帳がおりる。
ご武運を、と言って補助監督さんは待機場所まで車で走って行ってしまった。

次々とあぶり出される呪霊は確かに数が多く、一人では大変そうだ。
さて、行くか。と二人を振り返れば、彼らは期待の目で俺を見る。

『ンな大したものじゃないんだが…。』

変に期待されている、と若干の居心地の悪さを感じながら苦笑した。
そもそも、雨乞いは”白拍子”という職故であって、術式ですらないのだが。

何を言っても聞かなそうな二人は、もう無視することにした。