【呪術廻戦】雨を乞う。⑦【男主】 (ページ14)

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『せめて、写真くらい撮ろう。』

このままでは何のために花見に来たのかわからない、と提案すれば、Aが撮りたいなら、と頷いてくれる三人。

俺が我儘を言ったみたいになってるのは若干不服とはいえ、承諾はもらえた。
カメラを内側に向けて、スマホを構える。
四人入るには、相当寄らなければいけないが。

なんとか桜を背景にして、適当に連写した。

「撮りすぎ。」

「何枚撮った？？？」

あまりのシャッター音に笑い始める三人をよそに、写真を確認し始める。

写真なんて、素人がいくら頑張ろうと上手く撮れない事の方が多いんだ。
連写というのはそれをカバーできるだけの数があるから、思い出として残しておく一枚を撮りたいときは、そっちの方が選びようがある。

目を瞑っている、なんてそんなことも起こり得ないから。

ふざけているわけではなく結構ちゃんとした理由があるのだが、彼らが面白いならそのままでいいか。

『後で送っとくよ。』

メールに添付する、と端末を閉じれば、了解と頷く三人。
本当に長閑(のどか)なこんな時間が、卒業の節目として作れたことを幸福に思う。
一枚現像しよう、と考えながら、笑みを交わした、そんな日だった。