Episode.08 ページ12
と、思っていれば。
急に、零と俺は引き剝がされた。
…夏目の手によって。
驚いてそちらを見れば、夏目だけでなく渉も奏汰も宗も、同じような目でこちらを見ていた。
普段は何を考えているのかわからないとそこら中で言われているであろう面子が、こんなにもわかりやすく嫉妬している。
小さく笑えば、夏目に軽く殴られた。
「零にいさんは何時もおいしい所を持っていくよネ。」
ぎゅうと俺に抱き着いて、じと〜っと零を見る夏目。
それに合わせて奏汰が手刀の構えをとる。
焦ったような表情で一歩後ずさった零を見て、また笑いがこみ上げてきた。
「あなたもですよ、A。」
その時、渉がそう言って俺の手を取った。
相変わらず、紳士的な所作でそんなことをするものだから、そこら辺の女性だったらあっさり恋に落ちてしまいそうである。
え 、何 。
と目で訴えれば、宗が溜息を吐いた。
「無意識なのかね。」
呆れたと言わんばかりの視線が向けられて、首を傾げる。
何の話だ。
下から俺を見上げる蜂蜜色が瞬いた。
「零にいさんとAにいさんが仲良いのは知ってるけド。」
普段一緒に居る分、集まった時位ハ、ボク達のことを見てくれてもいいんじゃなイ？
なんて。
それを聞いて、ようやく思い当たった。
単なる嫉妬ではなく、俺たちの無意識での「二人セット」感を不満に思っていたらしい。
ああ、と頷けばさっと零から目を逸らす。
若干ショックを受けたような雰囲気が伝わってくるけど無視。
満面の笑みを四人に向けて、久々に茶会でもするか。と言えば嬉しそうに頷く姿。
「もう暫く紅茶とか淹れてないけど。」
腕が
と苦笑しつつ、今日は渉も座ってろよ。と声を投げかければ、ええ！と楽しそうな返答がくる。
中庭のガーデンテラスに行こうかと俺に抱き着いていた夏目を流れるように抱き上げれば、歩き出す。
「ちょっト、Aにいさんまで子供扱いしないでヨ」
なんて、抗議の声が聞こえたけどスルー。
後ろから零のおい置いてくなよという声が聞こえたけどそれもスルー。
他の三人はどことなく微笑ましそうに着いてくる。
その光景は、あまりにも昔と酷似していて…嗚呼、きっと今も。
思うことは、皆同じだ。
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ヨルノウミ(プロフ) - 初めまして､ヨルノウミです｡五奇人の盟友。ｽｺﾞｰｸ面白かったです✨続きが読みたいです❗ (11月19日 18時) (
レス) id: 4f52f8d1d4 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃猫(プロフ) - 音琥さん» ありがとうございます。急にいってしまってごめんなさい。これからも作品楽しみにしています (2022年5月9日 0時) (レス) id: 84f0a46658 (このIDを非表示/違反報告)
音琥(プロフ) - 瑠璃猫さん» コメントありがとうございます。 ですが 、今の所 他作者様とのコラボは考えていないので、申し訳ございません。 (2022年5月9日 0時) (レス) id: 7a4629e98d (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃猫(プロフ) - 初めまして。瑠璃猫と申します。合作しませんか？ (2022年5月8日 23時) (レス) id: 84f0a46658 (このIDを非表示/違反報告)
リザ - 初めまして！リザと申します！お話しとても良かったです‼応援しています！ (2021年11月16日 9時) (レス) id: fc7096c073 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音琥
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/
作成日時：2021年11月15日 16時
