【ツイステ】モブがモブと名乗っているのに何故か有名になる話

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『………あー…』





落胆、というか絶望の声を出した瞬間に、寮長が「では、誰の誕生日でもない なんでもない日を祝して！乾杯！」と声を出す。

合わせて、カンパーイ。と八人で飲み始めた。





『さて、ところで諸君。問題児たちが来たぞ、何かが起こる。どうすｒ..』




「マロンタルトだって！？ 信じられない！」





俺が声をかけようとした瞬間、そんな怒鳴り声が聞こえた。
ゲッ…と顔を顰め、全員でそちらを見やる。


と、案の定問題児その一と対峙している寮長が



「ハートの女王の規律・第５６２条。 ”なんでもない日のパーティにマロンタルトを持ち込むべからず。” これは重大な法律ルール違反だ！なんてことをしてくれたんだい！？」





とご立腹である。

問題児はやはり問題児だな。
……とはいっても、５６２条か。
果てしない数だな、俺達じゃあ撃沈してる。



顔を顰めながらそんなことを考えていると、モブ山が「…あー……あれ、マロンタルトだったのか。止めればよかった」と言った。





『…………お前まさか全部暗記してんの？』





「当たり前だろ。首切られたらたまったもんじゃない。」





恐る恐る聞くと、モブ山は真顔になってそう言った。
必死に覚えた、と続ける彼に七人でまじかお前…と感嘆した。
まぁ確かに魔法使えなくなるとか勘弁して欲しいけれども。

つーかお前その記憶力があるのになぜテストの点数が低い？？？
甚だ疑問なんだが。





「ハートの女王の厳格さを重んじるハーツラビュル寮長であるボクが、この違反に目を瞑ることは出来ない」





後ろで話が進行していくのを聞きながら、八人でアイコンタクトをとる。
最早展開なんぞ読めているといっても過言ではない。

あいつらのことだ、どうせ反抗して面倒臭いことになるに違いない。
一方的に見ているだけだが性格は把握できる。
間違いない。

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