理不尽な昔話は知っている

アヤデレラ1 ページ4

昔、昔、あるところにアヤデレラという美少女がいました。


その美少女は心優しいけれど、とても芯の強い子です。


アヤデレラは、本当の親は死んでしまい、今は2人のお姉様とお母様と生活しています。


そのお母さまたちからはアヤデレラは、アーヤもしくは、立花と呼ばれています。


ですが、アヤデレラには少し困ったことがあるのです…。


「お姉様！私洗濯物干すのやります！！」


私が率先して家の仕事をしようとすると、決まって出てくる人がいます。それは、


「アーヤ、こんな仕事しちゃダメだ！上杉お姉様がやってくれるから俺と遊ぼう！そうしよう！な！」


若武お姉様です。
お姉さまとお母さまは、世界一、と言っていいほど私に対して過保護です。


「え、でも上杉お姉様に悪いですよ…。
それに、私働きたいので！お姉さまの役に立ちたいので！」


でも、私はそんな若武お姉様の言い分を無視して、洗濯カゴの中に洗濯物を入れ、洗濯バサミがかかっているところに向かって歩きだしたのです。


でも、洗濯バサミは私の身長より高いところにあって、干すのには一苦労。


だから、椅子を持ってきて、その上に登って干しています！


洗濯ものを入れた洗濯カゴと、椅子を持って洗濯バサミのかかっている場所まで着くと、なぜかそこには上杉お姉様がいたの。


「お姉様？どうかしましたか？」


そう私がお姉さまに聞くと、


「……貸せ。」


と言われたんだ。でも、何を意味しているのかわからなくて、


「…え？何をですか？」


って聞いたの。


「………。」


そしたら、上杉お姉様は私の問いに答えず、無言で洗濯物を干し始めました。


「う、上杉お姉様！？私がやるので大丈夫ですよ！？それに、お姉様の優しい気持ちはわかるけど、私1人でできますよ！」


私だって、なんでも…ではないけど、ある程度のことはできるんだから！


お姉様にそう伝え、説得を試みましたが、失敗…。


結局、上杉お姉様が洗濯物を干してくれました。


「あ、上杉お姉様、ありがとうございます！」


申し訳ないな、と言う気持ちと、ありがたいと言う気持ちを込めてお礼を伝え、上杉お姉様のもとを離れたのでした。


私が立ち去ったあと、黒木お母様と、若武お姉様が、

「アーヤの手伝いで抜け駆けとは良い度胸だね…？」



と言っていたのは今はまだ知らないお話




皆さまお気づきかと思いますが、私が困ってること、それは…









"私の家族が過保護すぎること"

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