理不尽な昔話は知っている

ドレスチェンジ ページ2

何かに吸い込まれたと思ったら、なんと、私たちは今まで着ていた服から、別の服に変わっていたんだ！！


すぐ近くに姿見があったので、周りを見ると、私はthe、お母さんたちにいじめられてるときのシンデレラって感じの衣装に着替えていた。


布のパッチワークが施されていて、すごくボロボロって感じ。


そして、みんなはどんな服を着てるのかなって思って周りを見渡すと、若武と上杉君と黒木君の姿が目に入った。


私は、それを見て、思わず吹いてしまったんだ。



だって、3人とも女装をしていたんだもの。



「アーヤ？なんで笑ってるんだ？」



若武にそう聞かれた私は、



「3人ともそこの姿見で、自分の着てる服を見てきてみなよっ笑」


と言ったの。



そうして、みんなは自分の着ている服を確認し、赤面したんだ。


「な、なんだこの衣装と化粧は！ア、アーヤ！見、見るなぁぁ！こんなダサい俺誰にも見せられん！」


若武が恥ずかしがりながら、そっぽを向く。


「お、俺な、なんでこんな格好して化粧なんかしてるんだ…？」


上杉君はものすごく動揺してるみたい。


「これは参ったよ。まさか俺たちが継母役とはね。」


黒木君は艶やかな微笑みを浮かべながら、さすがに参っているみたいな感じかな。


他のみんなはどんな衣装かなって思って周りを見渡すと、


小塚君は魔法使い
翼は王子様
忍は、馬車を引く人…かな。


「おい美門！なんでお前が王子なんだ！」


若武が文句を言いながら、自分の衣装を再び見て顔を赤くしていた。


「翼！王子様の格好とってもよく似合ってるよ！本物の王子様みたい！」


私が翼の衣装に対して感想を述べると、翼は、顔を赤くして


「あ、ありがとっ…。」


そう言って、そっぽを向いた。


はて、なんか私悪いことしちゃったかな？


「でも、若武も、上杉君も黒木君も、小塚君も、翼も忍も、すごくかっこいいよ！」


一応みんなのことも褒めなきゃ…って思ってね。


そして他に誰かいないかと思って、周りを見ると、な、なんと！砂原と悠飛もいたの！！


2人は、多分馬のモチーフのタキシードを着ていたの。


2人は私たちを見つけた途端


「なんでお前らがここにいるんだ！？」


と叫んできたの。でも、私たちもすごく驚いていて


「それはこっちのセリフだよ！」


と叫び返したんだ。

ただ、なんだかんだ久しぶりとか、思い出話なんかをみんなで話していると、再び神様の声が聞こえてきたんだ。

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