35話 ページ36
「それじゃあ、パーキンソンで決まりでいいんだな？」
「ええ！私のポジションはどこになるの？」
パンジーがワクワクしながら聞くと、フリントの目が少し泳いだ気がした。
「まあ、ええと____それはおいおいだ」
パンジーはフリントの異変には気付かなかったようだ。浮き足立って寝室まで戻り、その日の夜、少なくともAが眠りにつくまでは、パンジーの鼻歌が止むことは無かった。
次の日の木曜日、午前の授業がようやく終わり、パンジーがクィディッチ･チームの顔合わせがあるとかでAは一人で大広間に向かっていた。
すると、ウィーズリー家の末っ子長女、ジニー･ウィーズリーが何やら上機嫌そうにスキップをしながら廊下を歩いているのを見つけた。
『こんにちは、ジニー！』
「A！学校で会うのは初めてよね？」
ジニーはAを見るとピタッとスキップを止めて、花が咲いたような満面の笑みを浮かべた。
『初めてよ！どうしたの、何かいいことでもあった？』
「ううん、何も無いわ！んー、でも、えっとね……」
ジニーはしばらくモジモジすると、やがて何かを決心したかのようにAの耳元に口を近づけて囁いた。
「_____最近、素敵なお友達ができたの」
それはそれは結構な事だが、ジニーのモジモジ具合からよっぽどの何かがあったのだろうと思っていたので、少し拍子抜けしてしまった。
『えーと、それは良かったわね！女の子？男の子？』
「多分、男の子よ」
『‘’多分”？それってどういう……』
ジニーは口元に人差し指を立てていたずらっ子のようにニシシと笑いながら「ナイショ」と言った。
それから、ジニーと他愛もない会話をしながら大広間まで一緒に行き、テーブルの所で別れた。
午後の最初の授業はスネイプの【魔法薬学】でグリフィンドールとの合同授業だ。
いつもなら喜ぶところだが、昨日のロックハート事件___Aはそう呼ぶことにした____のおかげでハリー達と顔を合わせるこが凄く気まづくなってしまったので、少しだけ憂鬱だ。それでなくともスネイプの授業はどんよりとしていて苦手なのだ。
他のスリザリン生と一緒に昼食を食べていると、大広間の扉が開いてパンジーとドラコが一緒に現れた。
「あー、お腹すいた！A、いい子にしてた？」
『子供扱いしないでよ。どうしてドラコも一緒なの？』
パンジーは口元で人差し指を立てた。今日はなんだか秘密が多い一日だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 106人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：パン太郎 | 作成日時：2021年3月15日 7時
