19話 ページ20
「決まりだ」「私も、いいだろう」
カウンターの前でルシウスおじさんと父がそう言ったのが聞こえた。
『ねえお母様、ここにあるのって闇の魔術に関するモノばかりよね？一体私たち何しに来たの？』
「貴女も大人になったら分かるわ」
母は心配そうな顔でカウンターを眺めていた。
「ボージン君、お邪魔したな。明日、館の方に物を取りに来てくれるだろうね。それではルイス、また魔法省で会おう」
「そうだな、ルシウス」
二人のマルフォイが店から出て行った後、すぐにA達家族も店から出た。
外の景色を見て初めてこの店が
「よし、じゃあまずは何から買いに行こうかな」
『えーっと、教科書は重いから後にした方がいいわよね……ってなると、あ！』
「どうかしたのかい？」
『箒よ！箒を見に行かなくちゃ！前に話した事を覚えてる？マーカス･フリントがチェス大会に優勝したからプレゼントをしなくちゃいけないの』
「そんな話もあったわね。それなら【高級クィディッチ用具店】に行きましょう。ついでにAにも箒を買ってあげるわ…！」
【高級クィディッチ用具店】の中にはたくさんの人がごった返していた。中でも店の奥に飾られているショーウィンドウに飾られている最新型箒【ニンバス 2001】にみんな夢中だった。
父が店員と話をしている間、Aは店の中をぐるりと回った。ロンが好きなチームはなんと言っただろうか。
確か_____チャドリー･キャノンズ_____。
『ちょっと！』
オレンジ色のコーナーの前で見知った頭が三個揺れた。
「うわ、びっくりした！」
「A！」
突如のしかかった重みに耐えられず思わずよろけた。栗色のふさふさ髪が視界一杯に広がりくすぐったい。
『久しぶりね、ハーマイオニー！』
｢ロンから聞いたわ、私のせいで親と喧嘩してしまったって……私、よく分からないけどとんでもない事をしてしまったのね」
ハーマイオニーの髪の毛がシュンと萎れるのが分かった。
『ちょっとロン、ハーマイオニーには言わないでって言ったじゃないの』
「仕方がないだろ、君にそう言われる前にもう手紙を送っちゃったんだから」
ロンのポンコツ具合に呆れてため息をこぼしながらハーマイオニーのふわふわ髪を撫でた。
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作者名：パン太郎 | 作成日時：2021年3月15日 7時
