14話 ページ15
「なにか仰りたいことはありませんの。え？」
「やったのか？上手くいったのか？つ、つまりだ___」
ロンのお父様はうずうずしていた。お母様の目から火花が飛び散るのを見て、お父様は口ごもった。
「そ、それは、おまえたち、イカン___そりゃ、絶対イカン……」
ロンのお母様が大きな食用ガエルのように膨れ上がったとき、ロンが囁いた。
「二人にやらせとけばいい。ハリー来いよ、僕の部屋を見せよう。君も来るだろ？」
『ええ、もちろん！』
三人は台所を抜け出し、狭い廊下を通ってデコボコの階段にたどり着いた。三番目の踊り場のドアが半開きになっていて、中から明るい鳶色の目が二つ、こちらを見つめていた。
『ジニーったら、どうしちゃったのかしらね』
「妹がこんなにシャイなのもおかしいんだよ。いつもならおしゃべりばかりしてるのに___」
それから二つ、三つ踊り場を過ぎて、ペンキのハゲかけたドアにたどり着いた。小さな看板がかかり、【ロナルドの部屋】と書いてある。
ハリーはロンの部屋を見て感心したようだった。ロンの部屋はまるで炉の中に入り込んだように、ベッドカバー、壁、天井までも、燃えるようなオレンジ色だ。
「ご贔屓のクィディッチ･チームかい？」
ハリーが壁のポスターを指さしながら言った。
「チャドリー･キャノンズさ」
ロンはオレンジ色のベッドカバーを指さした。黒々と大きなCの文字が二つと、風邪を斬る砲丸の縫い取りがしてある。「ランキング九位だ」
ハリーは物珍しそうにロンの部屋をぐるりと見渡した。
「ちょっと狭いけど」ロンが慌てて口を開いた。
「君のマグルのとこの部屋みたいじゃないけど。それに、僕の部屋、屋根裏お化けの真下だし。あいつ、しょっちゅうパイプを叩いたり、呻いたりするんだ……」
ハリーはくるりとロンを振り返るとニッコリした。
「僕、こんな素敵な家は生まれて初めてだ」
『良かったわね、ロン』
ロンは耳元をポっと紅らめた。
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作者名：パン太郎 | 作成日時：2021年3月15日 7時
