1話 ページ2
激動の一年が過ぎ、Aはようやく家に着いた。玄関では父と母が優しく出迎えてくれた。
｢お帰りなさい！僕の可愛いA…。学校での事をいろいろ聞かせてくれるかな？｣
『もちろんよ！でもその前にお部屋に荷物を置いてきても良いかしら？』
父と母が優しく頷くのを見て、Aは部屋に向かった。荷物を置くとすぐにリビングに行って少し早めのディナーをとった。
｢ホグワーツでは新しい友達は出来たかい？｣
『ええ、もちろんよ！パンジー･パーキンソンって知ってる？』
｢パーキンソン家のご令嬢か。良い友達を作ったね｣
父は感心したように言った。
『本当に良い友達よ。でもね、グリフィンドールの子ともすっごく仲良くなったのよ！三人も！』
｢名前は？｣
『えっと、ハリー･ポッターと……』
｢ハリー･ポッターか…！ホグワーツに入学していたとは聞いていたが仲良くなってくるなんて…！Aはやっぱり出来る子だ｣
『ええ！あとは、ロン･ウィーズリーとハーマイオニー･グレンジャーよ！』
二人の名前を出すと両親の顔があからさまに曇ったのが分かった。
｢ウィーズリー家と言うと【血を裏切る者】といわれている……。｣
｢グレンジャーという名前も聞いたことがないわね……ご両親は？｣
ハーマイオニーの両親の事を聞かれて内心ギクッとした。
『ハーマイオニーの両親は……』
Aのその様子を見て両親は勘づいたようだった。
｢【マグル】なのね？｣
Aは恐る恐る頷いた。父と母はため息を漏らした。
｢ハァ……私達が今まで君に教えてきたことを忘れてしまったのかい？｣
『でも、ハーマイオニーは凄く優秀なのよ、【純血】の私やドラコよりもよ！おまけにすごく優しくて……』
｢A｣父がAの話をさえぎった。
｢もうその子と関わるのは止めなさい。今の君には分からないかもしれないが、大人になったらきっと分かる。だから、今は父さんと母さんの言う通りにするんだ。｣
『でも、私、皆と夏休みに家でお泊まりをする約束をしたの。お父様もお母様もハーマイオニーに会えばきっとわかるわ！だから…』
｢駄目だ、その子に断りの手紙を書きなさい。【穢れた血】にうちの家の敷居を跨がせる訳には行かない。｣
いつもは優しい父の口から【穢れた血】という言葉が出てきた事に驚いた。
『彼女は……彼女は穢れてなんかいないわ！』
Aはそういうとリビングを飛び出した。
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作者名：パン太郎 | 作成日時：2021年3月15日 7時
