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その日の放課後。



授業も終わったのでイグニハイド寮に繋がる鏡の中に入ろうとしたところ、あの、とこの学園には似つかない高めの声で呼び止められた。



振り向けば入学式で暴れていた猫?とあの魔法が使えない少女がいる。



( ……あぁ確か、オンボロ寮の監督生になったんだったか )



普段あまり他の生徒と関わらない為詳しい情報は知らないが、魔法が使えないと言うだけでも注目の的になるというのに女子というオプションがついている、イレギュラーな存在なのでさすがにそれは俺も知っていた。



クラスで監督生がかわいい、癒しだなんて話し合う言葉も飽きるほど聞いた。



『 ……何か 』



特に接点もないので、彼女が自分に声をかけてきた意図が分からず短くそう尋ねる。



「 ……え、えっとイグニハイド寮生の子だよね。申し訳ないんだけど、寮長さんにこの書類を渡して貰えないかな。学園長に頼まれて各寮長に今日中に渡せってって言われたんだけど……この後先生に呼び出されちゃったんだ 」



少しおずおずと遠慮がちに言葉を紡ぐ監督生。



彼女の言った通り手にはクリップでとめられた重要そうな書類があった。



「 全く、学園長は本当に人遣いが荒いんだゾ!」



「 ……否定できないけど、そもそもグリムがトレイン先生の授業で爆睡するからこんな事になったんでしょ!……ごめんなさい、お願い出来ますか……?」



普通に二足歩行で暴れる猫を彼女はべしっと叩き、角度的に上目遣いで申し訳なさそうにこちらを見上げた。



( ……話しが終わったあとでは間に合わないのだろうか。……仕方ない )



風の噂で監督生は巻き込まれ体質だ、なんて聞いたからずっと居ると自分にも良くない影響が起きそうなので、特に追求はせずに頷いて書類を受け取った。



「 ……ありがとう!えっと名前は 」



『 ……トレイン先生は待たせると厄介じゃないのか 』



「 あ、ちょっと……!」



彼女の静止の声は聞かずに素早く鏡の中に入った。



何となくの勘だが彼女達に関わるとろくな事がなさそうなので、聞こえないふりをして振り切った。



面倒事には極力関わりたくない。



彼女に声をかけられ、頼み事を承諾した時点でもうそれは叶わないのかもしれないが……。



( ……まぁ書類を渡すくらいなら別にいいけど。そもそもの問題寮長と話したことないな )



普段部屋に籠って殆ど出てこないらしいし、入学式の挨拶以降その姿は見ていない。



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いにみっちょ(プロフ) - 初めまして、読みやすくて続きが気になるお話見つけて嬉しくてコメントさせていただきました✨更新楽しみにしてます。 (2022年11月12日 19時) (レス) @page38 id: 2cf0cd68b6 (このIDを非表示/違反報告)
トムジェリ(プロフ) - 更新ありがとうございます!!続きも楽しみにしています!!! (2022年10月31日 9時) (レス) id: cc774e2595 (このIDを非表示/違反報告)
runva - この主のキャラ好き…‼更新待ってます‼ (2022年6月25日 22時) (レス) @page37 id: b1b697b532 (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん(プロフ) - 更新おめでとうございます!久しぶりや〜ホンマになぁ。一匹狼かっこいい…!ジャックと気が合いそうな気がしなくもないですね!オミクロンと567には気を付けてください! (2021年12月3日 12時) (レス) @page25 id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 出張頑張ってください! (2021年11月24日 17時) (レス) @page24 id: b8d28e8162 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朝霧。 | 作成日時:2021年11月13日 17時

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