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「 ふーん。じゃ、オレは行くんで。後A君。そんなボーッと考え事してちゃ、隙をつかれて泣く羽目になるッスよ?」



ブッチさんが口を歪めてニヤリと笑う。



こんな風にね、と自身の手を左右に動かしながら青色の宝石がついたペンをかざした。



驚いて反射的に自身の胸ポケットを探るも何もない。



目の前にある彼の手の中にあるのは、間違いなく自分のマジカルペンだった。



( ……いつの間に )



「 シシシ♪ それじゃ!」



そう悪戯っぽく笑ったブッチさんが目の前から消えたと思えば、中庭の木や塀などを使ってどんどん離れていく。



「 おいまだ逃げんのかよっ!A、あいつ捕まえんの協力してくれ!」



「 ごめんな、人数が増えればまだ捕まえられる可能性があるんだ。頼む 」



トラッポラさんとスペードの生徒はやっとここまでこれたらしい。



巻き込まれた感が凄いが、自分のマジカルペンが盗られてしまったからには追いかけない訳にもいかない。



『 ……分かった 』



そう頷き、すぐに走ってブッチさんを追っていく。



さすが獣人と言ったところか、動きも素早いし高低差を利用した身体能力が並外れている。



「 くそっ、なんなのアイツすばしっこすぎ!」



「 ただ足が速いというより、高低差を飛び越える能力が尋常じゃないな……!」



どうやら二人はマジカルペンを盗られていなかったらしいが、それならなぜブッチさんを追いかけているのだろうか。



……理由は今聞く必要はないか。



そんな事を考えているうちにも差は広がっていく。



一応パルクールは出来るが、獣人の彼に人間である自分が身体能力で敵う訳がない。



このまま全力で追いかけたところで勝ち目はない。



体力の限界も近いので、早く彼を捕まえないと。



( ……マジカルペンがないと負担が大きくて魔法は使えないが……アレなら )



彼の動きを止められるかもしれない。



……本当は人前でなんて使いたくなかったが、やむを得ない。



走りながら、少し先にいるブッチさんを見据える。



『 __ 我が精霊達よ、主の意のままに。

精霊の守り人(スピリット・ガーディアン)



そう詠唱を唱えた直後、ブッチさんの周りに幾つのも“手“が現れた。



「 うわっ!?なんスかこれ!?まさか……幽霊!?」



それに驚いた彼は動きを止め、その瞬間“手“が彼の身体を包み込んで拘束する。



幽霊……まぁ非科学的存在なのは同じだが。




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いにみっちょ(プロフ) - 初めまして、読みやすくて続きが気になるお話見つけて嬉しくてコメントさせていただきました✨更新楽しみにしてます。 (2022年11月12日 19時) (レス) @page38 id: 2cf0cd68b6 (このIDを非表示/違反報告)
トムジェリ(プロフ) - 更新ありがとうございます!!続きも楽しみにしています!!! (2022年10月31日 9時) (レス) id: cc774e2595 (このIDを非表示/違反報告)
runva - この主のキャラ好き…‼更新待ってます‼ (2022年6月25日 22時) (レス) @page37 id: b1b697b532 (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん(プロフ) - 更新おめでとうございます!久しぶりや〜ホンマになぁ。一匹狼かっこいい…!ジャックと気が合いそうな気がしなくもないですね!オミクロンと567には気を付けてください! (2021年12月3日 12時) (レス) @page25 id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 出張頑張ってください! (2021年11月24日 17時) (レス) @page24 id: b8d28e8162 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朝霧。 | 作成日時:2021年11月13日 17時

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