2017.7 CBX ページ21
ステージ脇には暗幕が。見上げて見ると幾重にも重なっている。牡蠣の襞のようだと思った。周囲には熱気が籠りバランスボールより大きな直径をした扇風機が辺りに力強い風を吹き掛ける。
2017.7 CBX
俺は、CBXのステージで待機していた。ウミニヒョンは あ、とか、う、とか呟きながらストレッチをしていたし、ジョンデは最終のメイクの手直しをされている。
ソロ曲やユニット曲が続くこのセクションは先輩後輩が沢山出演する。流石にステージ裏から客席の様子を見ることは出来ないけど、大きな歓声が続いていて自然と興奮というか、緊張というか、自分自身気持ちが上がっていくのを感じる。なんて言えばいいのかね。
いくつかのプログラムが終わろうとした時、後ろにいたらしいAが呼ばれて前に出て行った。
ほー、あいつもなんかやるんだな。大先輩だけど同い年だったし、Aの持つ良く言えばお人好しそうな…悪く言うと気が弱そうな雰囲気は取っ付きやすかった。EXOの宿舎にもテミンにくっ付いて遊びに来ていたし、デビューした後だけど度々食事に行ったり遊びに行ったりしていた。同僚と言うには近く、友達と呼ぶには遠い。業界の友人というやつだった。
衣装は光沢のある黒いシャツと、白のタイトなスラックス。足元はよく見れば裸足で。
「A、화이팅」
『……ありがと、ジョンデ。がんばる』
メイクヌナを挟んで隣合ったジョンデが声をかけた。生気のない青白い顔がこちらを向くと、ライラック色のアイシャドウがきらりと光った。切れ長の瞳は自信がなさそうに瞼を伏せていたけれど、こいつのポテンシャルは失敗しそうな場面でこそ発揮される。
すると、目が合った。俺は多くを語る必要は無いと思った、わけではないが、掛ける言葉をジョンデに取られてしまったので親指を突き出してみせた。
こく、と頷いたか、頷いていないか。小さなリアクションだった。そして名前を呼ばれたAは舞台袖にかけて行った。
―――
少女時代のヌナのステージが終わり、突然真っ暗になる舞台。真っ暗と言っても野外なので、空は鈍い色をしながらもうっすら青い色をしていた。
10秒以上の暗転。
そして、BGMが流れ始めた、有名な曲だ。
バレエの曲。
くるみ割り人形の…金平糖の踊り。
チェレスタの透明感のある、だけど不気味で不思議な半階音のメロディ。
4分の2拍。現れたのは…―――。
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うさみみ(プロフ) - えみ様はじめまして♪続きはまだですか？もっと読みたいです (2018年9月2日 1時) (
レス) id: 1190039706 (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - セティ様 はじめまして。このような文章に感想を頂き、本当に嬉しく、そして励みになります。なかなか更新出来ませんが、完結を目指して投稿致します。お付き合い頂けましたら幸いです。 (2018年3月13日 16時) (レス) id: 9d750210cd (このIDを非表示/違反報告)
セティ(プロフ) - えみ様、はじめまして。SHINeeの男主人公の物語楽しみにしております。今後、どうなるのかワクワクしております。 (2018年3月2日 0時) (レス) id: 679e7bc534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えみ | 作成日時：2018年2月19日 17時
