ガッチさんの甥っ子もあまり驚かない｡【実況者／男主】 (ページ9)

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なんて事だ、彼らに荷物を運ばせてしまうだなんて。

血の気が引き、冷や汗が一筋首に垂れる。

気にしなくていいよと優しい言葉をかけてくれてはいたが、普通初対面の相手の家まで荷物を運ぶだなんてやりたくなかっただろう。

気を遣ってくれていただけなのだろう、こちらが叔父さんの甥という立場もあるし。

『 ……謝らないと。連絡先は知らないから、叔父さん経由で伝えてもらおう』

あまり感覚がない指を滑らせ、LINEを開いて叔父さんにメッセージを送ろうとしたけれど。

( ……もう夜も遅いし、今送るのは迷惑かな。明日にしよう )

気がつけばもう二十三時を回っている。

叔父さんは結構眠るのは遅いみたいだから、この時間帯は起きてるとは思うけれど、遅い時間にメッセージを送るのは気が引けたので明日でいいかとスマホを置いた。

折角の金曜日、いつもは徹夜でゲームをしているけれど、流石に今日はそんな気分ではなかったのでそのまま眠ることにした。

彼らに対しての罪悪感が胸の中に疼くと同時に、まさか昔から好きだった三人と直接会話をした事について少なからず高揚感を覚えている。

好きと言っている割に叔父さん程彼らの動画を見ていたわけじゃないし、実写動画も見た事なかったので、ファンと名乗るほどでもないが……それでも胸は少しバクバクしていた。

( ……彼等のファンの人達にバレたら怒られちゃいそう )

この間Twitterで、彼らのファンの女性がガチ恋勢だったらしく暴れていたから、それを思い出した。

なんて偏見気味な考えが浮かぶけれど、その時はその時かな。

とにかく明日は、彼らに謝罪の言葉を伝えてほしいと叔父さんにLINEで頼もう。

帰り際にまた会えるかと聞かれたが(確かキヨさんだったはず)、そんな直々会えるものではないから。

ピッと部屋の電気を消し、再度布団に潜り込む。

( ……何にせよ、今日は凄い日だったな )

地元埼玉から東京へ上京して早数ヶ月。

大学に行って授業を受け、バイトをし、やることを全て終えてからゲームをしたり動画を観たり。

そんな平凡で、なんの特徴もない日常が今日初めて崩れた気がする。

( ……たまにはこんな日も、悪くないのかな )

心臓に悪かったけれど……。

なんてことを思いながら、静かに目を閉じて眠りについた。

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