ガッチさんの甥っ子もあまり驚かない｡【実況者／男主】 (ページ2)

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『 ……よし、クリアできた！』

とある平日の昼下がり。

俺は自室でPC手前にんん……と伸びをしてヘッドホンを机に置いた。

モニターには禍々しい背景に"GAME CLEAR"と表示されている。

『 ……あ、もうこんな時間。準備しないと』

平日は大学から帰ったら課題をやり、それが終わったらバイトに行き、何もなければ大抵ゲーム(主にホラゲー)をプレイして過ごすのが日課になっていた。

今日は講義が一限だけだったので、授業を受け終えて家でゲームをプレイしていたらいつの間にか時刻は十三時を過ぎていた。

今日のシフトは十四時から十九時までの五時間。

講義が多い日もあれば、休日もあるので時間帯はその都度変わる。

PCの電源を落とし、少し急ぎ目に予め作っておいたサンドイッチを齧って素早く身支度を済ませた。

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『予約された本の受け取りですね。少々お待ちください………はい、こちらです。ありがとうございました』

ありがとう、と受け取ったお客さんにいいえと頭をぺこりと下げた。

俺のバイト先は、家から徒歩十分程度の街の通りに佇む書店。

大型のチェーン店ではなく、人柄の良い老夫婦が経営する個人の中型書店だ。

数十年前からこの場所にあるらしく、今まで二人で経営していたのだが、年齢も上がってきて棚の上にある本や本出しといった体力仕事に支障をきたしてしまったらしく、アルバイトを募集したのだとか。

東京に上京してからまだ一週間も経っていなかった数ヶ月前に、たまたまこの書店の張り紙を見てすぐに応募したのは記憶に新しい。

本の知識が乏しい自分に、二人は丁寧に教えてくれたおかげでもうすっかり仕事に慣れた。

「 A君、外国のお客さんが来て下さったんだけど……接客をお願いしてもいいかい？」

『あ、はい。行きますね！』

ごめんね、と申し訳なさそうに微笑むおじいさん…俊夫さんに全然、と首を振ってお客様の元へ。

父の仕事の都合で小学四年から中学二年の五年間イギリスで過ごした為、実は英語ができたりする。

SNSが発達したこの時代、日本特有のこじんまりとした書店の雰囲気が落ち着くと、外国から来られるお客さんも増えてきたらしい。

英語が苦手な二人に変わり、その時は俺が接客しているのだ。

書店の仕事って難しそうだな、なんて初めは思っていたが二人とも優しいし、知識も増えたりするのでここで働けてよかったと思う。

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