【フジ】恋愛ゲーム【実況者】 (ページ7)

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root*six ページ7

気を利かせてくれたのか、お昼は二人でごゆっくりなんてにやついた顔で言われた。

もう、なんなの。

私はお弁当を持って、フジくんを引っ張る。

周りの男子からは冷やかしの口笛をされて、内心はイラつきながらも、恥ずかしがったように笑う

誰も来ない空き教室までやってきて、フジくんの腕を離した

「なんであんなこと言ったの！」

「そっちの方が面白いべ？」

「面倒なことにしないで欲しいんだけど」

「えぇ……。俺ね、本気で落としに行ってるから」

「無理でしょうよ」

お弁当を開いて、手を合わせる

自分で作ってるけど、料理は得意な方なので普通に食べることが出来る

じぃっと私を見てくるフジくんに、嫌そうな顔を隠さない

「それ手作り？」

「そうだけど、悪い？」

「んや、すんごい美味しそう。ちょーだい」

「……いやよ」

そう言って、卵焼きをぱくり

誰があげるもんですか

フジくんはフジくんのお弁当があるのに。

「ケチ！いいよ、もう」

諦めた。

そう思ったのに

ガシャンと音を立てて崩れたお弁当

引っ張られる腕

柔らかい、唇

目の前には整っているフジくんの顔があって、目を細めて笑ってる

「ん、ぅ……」

振り払おうとしても、柔道部の力には敵わない

空いていた手が私の頭に回ってきて、固定される

酸素がなくなって、無理やり開けられた唇から入ってくる舌も、運んでくれるのではなく奪われるだけ

口の中に何もなくてよかった

そうぼんやりと考えた

「ン……、」

最後にぺろりと唇を舐められて、フジくんが離れた

酸素不足から膜を貼った涙を零さないようにして、睨みつける

最悪だ

「美味しいね」

「ふざけないで！！！」

確かに、何をしてもいいと、そう決めた

でも、こんなのって、ないよ

「あ、もしかして初めてだった？」

図星を突かれて、何も言えなくなる。

先手を取ろうと思ってたのに、朝からやられっぱなしじゃない。

そんなの、許さない