検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:52,408 hit

#-8 ページ28

.


――――A、中也、太宰、15歳




「ねぇ、中也。包帯ぐるぐる巻きの少年のこと知ってるでしょ」



疑問ではなく断定してそう言うのは、一月程前にポートマフィアにやってきた有島Aという女だ

なにがあったのかは知らないが、首領が拾ってきて姐さんの下に配属された

噂では親殺しだの言われているが、本人から聞いたわけではないから話半分で聞いている


ほぼ同じ時期の参入ということと、姐さん付きということもあり、Aとはよく話す方だと思っている

というか、むしろAが俺と姐さん、首領以外と話しているところなんて見たことがない

他人に興味がないのかもしれない

俺と話したきっかけだって姐さんに促されたからだ

そうでなければAはきっと俺に興味すら抱かなかっただろう




A「ねぇ!中也!」


中也「だぁ!もう!聞こえてるわ!!」


A「じゃあ返事くらいしてよ!」




そう言うなり、少し離れたソファに凭れていたAが手近なクッションを投げつけてくる

同い年と聞いたがこいつはどこか行動が餓鬼だ

どうしてこうもめんどくさい奴らにばかり出会うのか

自分の運命が恨めしい



A「中也!!包帯ぐるぐる巻きでジサツばかりしようとする人知ってるでしょ!?」


中也「はぁ…手前の言ってるのは太宰の糞のことか?」



十中八九あいつのことだとは思うが、一応確認をとる

だが、どうやら名前までは知らないらしい




A「ただ、面白い異能力を持っていると聞いた」




異能の存在は機密情報のはずだ

誰から聞いたのか、気にはなったが深入りをしないようにしよう

Aにおいては割とよくあることだ




A「その人を私に紹介して」




Aのなんの構いもなしに言われたその一言に、俺は思わず盛大な舌打ちをした




中也「なんで俺が…」


A「別に案内してって言ってるんじゃないよ。私を中也の知人として、太宰という男に紹介してって言ってるの」




…なんか気に食わない

ちょっかいをかけてくるAをガン無視していると、部屋の扉が開き太宰が入ってきた



何しに来た。俺がそう言おうと口を開くが、Aの方が先に言葉を発した




A「初めまして。いきなりで悪いのですがお願いを1ついいですか?私のことを力の限り殴ってください」




ソファから立ち上がり笑顔でそう言ったA



初対面の奴に何言ってんだ此奴…

#-7→←#26



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (84 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
78人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:エバ。 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年5月16日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。