#18 ページ19
太宰side
中也が何に怒っているのかなんてのは理解できる
彼は昔から実に単純な思考回路をしている
単純で、猪突猛進で、実に人間らしい言動をする
私やAとは違う…
あの後、中也はすぐに部下に確保を指令した
標的はほどよく筋肉のついた中年の男だ
元々はポートマフィアと別組織の構成員だったようだ
太宰「…にしても、相変わらず陰湿な部屋だね」
ぐるりと薄暗い部屋を見回していると中也に舌打ちをされた
勝手に尋問室まで着いてきたからなのか、それとも相変わらず私が的を射た回答を示さないからなのか、舌打ちの真相はわからない
だがまぁ、8割方勝手についてきてビルに入ったからだろう
いやぁ愉快愉快
中也「んで…なんで手前もいんだよ」
A「来ちゃった!」
中也「来ちゃった!じゃねぇよ!!」
どこから情報を嗅ぎつけたのか、尋問室にはAの姿もあった
置いて行ったことを根に持っていたのか、顔を合わせた瞬間ペンを投げつけてきた
どうやら部屋の角にある机の上に置いてあったようだ
気に入らないことがあると物を投げてくるのは本当にやめたほうがいい
太宰「ところで、馘首になったと言っていないかったかい?A」
中也「Aが馘首?何言ってんだ手前」
太宰「私じゃなくてAに聞いてくれ」
私は知らない。と両手を広げ振って見せる
中也と一緒にAへ視線を向けるとフッと逸らされた
それを見て中也も察したのだろう
呆れた顔を向けていた
中也「おいA。早々に取引放棄してんじゃねぇぞ」
太宰「なんの取引だい?」
A「んー?んー…教えなーい」
そういうAはニコリと笑った
中也「手前がどうしようが手前の勝手だが…首領ははなから気づいてるからな」
A「うん、…知ってる。面子は潰さない」
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