＊*X'masまでに赤ずきんちゃんを*＊ＦＫ

count９ ページ10

……



いや。



ちょいまって！！

今のは



今の好きは



藤ヶ谷の言う






『北山、好きだよ』


『北山が好き』






それとは違う。



きっと、


たぶん。



絶対違うからな！









.









.









.









玉「……。ミツ？」


北「っ？！な、なんだ、タマか…」


玉「ふーーん、…あんま時間ないね」


北「え？」


玉「ミツがガヤに堕ちるまでの"カウント"
　 もう少ないと思うよ？」


北「なんっ、…え、それ、って、え？」


玉「それなりに本気だったんだけど…
　 ま、いっかー。残りのカウントまで
　 ミツのこと好きでいいよね？」


北「ぇ、タマ…？！」









ーぎゅぅ…









その腕は確かに

力強くて、でも優しくて


どこかほっとするぬくもり。


藤ヶ谷の態度で悩んでたときにも

タマや横尾さんに助けられたっけ？笑


それも随分昔のこと



その時からずっと変わらない



タマのこのぬくもりは

俺を甘やかす








………ぎゅっ









玉「！っミツ、？？」


北「んー？いや、なんかタマには色々と
　 精神的に助けられてんなーと思って。」


玉「…ポンコツな最年長さんですから。笑」


北「あ？」


玉「嘘だよ、頼れるお兄さんでしょミツは」









抱きしめ返したタマのからだは

俺の知ってる頃とは

比べ物にならないくらい大きくて


包み込まれる優しさと

オシャレなwhitemuskの匂い



あの"玉ちゃん"も


もう、完璧な大人なんだなって、



抱きしめられて


初めて気づいた。



『でもやっぱりたまにポンコツだけど。笑』



って頭の上から聞こえる

笑い声も、


あの頃と全部が違って聞こえる。




だから俺もちゃんと、




成長しねーとな。









北「なータマ。俺さまだ全然わかんねーけど…
　 藤ヶ谷の"悲しい"顔を見るの、
　 すっげー嫌なの。昔から。
　 んで、今は"泣きそうな笑顔"を見ると
　 もっと嫌なんだよなー。」


玉「……うん、それで？」


北「そんで、タマには笑ってて欲しい！」


玉「え？」


北「俺なんか好きでいても、タマは笑顔で
　 居られねーじゃん…」


玉「ミツ、」


北「だってお前、さっきからずっと
　 寂しい顔してる。…ごめんな、タマ。
　 気持ちはすげー嬉しい。」






北「でもタマを最高に笑わせてあげられるのは
　 たぶん俺じゃねーから。」







それはきっと

タマだって気づいてる。


ありがとな、タマ




.

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