＊*X'masまでに赤ずきんちゃんを*＊ＦＫ

count２９〜オオカミ太輔side ページ30

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遅刻した理由を、丁寧にゆっくり

ちゃんと話してくれて

…確かに期待は、した。


もしかしたら、俺のこと

ちゃんと見てくれてるのかもって



『ッあ、ああとからバレてタマに
　 グーパンされても困ると思って！！！』



……まぁ、そうくるよな。

素直じゃないのもわかってるし


わかってるよ、


わかってるけどさ




じゃあその反応はなに？




『あはは、つーか手あったけーなー。』

『藤ヶ谷は、あったけーよ。』




そんなこと、言われたら

嫌でも勘違いするよ？




だってそんな頬あかくして

うるんだ瞳で

好きな人にそんな顔されて


我慢するこっちの身にもなってよ









なんとか、気持ちを抑えてころして

部屋のドアまでたどり着いた


でも北山に触れてしまえば

その我慢なんて一瞬にして無駄になる


絶対にヤバい…




ーガチャ…








藤「……」


北「あ、あの、、藤ヶ谷？」


藤「ごめん、北山…ちょっと先に上がってくれる？」


北「え？…お、お邪魔します。」


藤「……、や、…で」


北「？？なに、…なぁ藤ヶ谷、」





藤「ちょっと、やばいから、マジで。
　 頼むから離れて、北山」









そんな、顔しないで…

北山はずるいんだって。


家で飲むのを誘ったのは俺だけど


これは予想外の展開で、

今にも押し倒しそうになる。



頼むから離れてて


もし触れたら


今にでも、俺は…









藤「っ？！」


北「お前、震えてんじゃん…
　 熱でもあんじゃね？」


藤「……離れてっ…て、言ったよね？」


北「だっ、だって藤ヶ谷、」





藤「北山、ごめん。先に謝っとく…だけど

　 先に触れた北山も…同罪だからね」





そう言ってキスをした

触れるだけのキスと、


一度離して

今度はゆっくりちゃんと感じるように。


嫌われたくないけど


これ以上、今の俺に

我慢することなんて不可能だった


だって、すぐ近くに


ここに



北山が居る。




『もー１回してくんない？』




…その意味はもう、わかってるんだよね？





北山からの告白には

好き"かも"のオマケ付で。笑

でも、北山っぽいし可愛いから全然OK


だけど…


どんなに男らしくても

かっこよくても。


その立場だけは、俺に代わって？


この想いに気づいたときから




俺が

"北山を幸せにする"




そう決めてたんだ。





『藤ヶ谷との時間も、大切にしたい。』





うん、二人の時間を…ここから。






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