＊＊Gravity＊＊〜F×Ki〜

love 7〜藤ヶ谷 ページ7

北山と船に戻ると

間もなくして

渉が燃料を積んで戻ってきた


…あーあ。

これは、怒られるな(笑)


って、え？



『太輔、どーいうこと？』



なんで俺まで怒られんだよ(笑)

今回に関して

俺はぜってー悪くないから！









横「まったく…、お前らさ
　 なんでそんな学習しないの？」


藤「え、俺も？」


横「出掛ける前に"頼むね"って
　 任せたはずだけど？」


藤「……確かに、そうだった(笑)」


横「ったく、太輔はミツに甘い。
　 その上ミツ以外の視野が狭すぎ…」


藤「そう…かな」


横「ミツはミツで、目の前の事に
　 集中しすぎ…ついでに
　 太輔にしか甘えないからタチ悪い。」


藤「そう…かな(笑)」


横「そこ、喜ぶとこじゃないから。」


藤「渉？なんかめちゃめちゃキレてる？」


横「…結局手懸かりは１時間前に亜理砂が
　 この島から出てった、てことだけ？」


藤「それは確かだと思う。…それにたぶん、
　 他の皆も一緒だったみたい」


横「はぁ、まだまだ謎が多すぎて
　 道のりは長そうだな…」


藤「うん、でも…ゼロじゃない。
　 この先もきっと一歩ずつ近づくよ」


横「その自信どっから来んの？
　 …あーごめん。無意味な質問だったね」





藤「そうだよ、渉。意味なんて…
　 北山が居れば、…全てはあいつだから」





横「……太輔も、大変だね。
　 俺はなんにもしてやれないけど、
　 影ながらお前達の行く末を見守るよ」


藤「それだけでもかなり心強い♥」


横「はいはい(笑)って、結局俺も
　 太輔に甘いんだよなー」









俺の気持ちに、

亜理砂よりも先に気づいた渉は

すぐに聞いてきた。



『このままじゃ、亜理砂も太輔も
　辛いだけなんじゃない？』



その一言が聞けたおかげで

亜理砂に素直に打ち明けられた


もちろん、亜理砂には

気づかれてたけど

俺から聞けて良かったって


そう笑って言ってくれたから


渉や亜理砂に支えられて


北山と向き合えたんだ。



いつから、とか


どのタイミングで、とか



今思えばわからないけど

隣でへらへらと

楽しそうに笑うその顔を


"可愛いな"って思い始めた時から

もう好きだったんだよ。


想いは伝えられなかった…

それでも幸せだったから


だけど、笑顔をなくしたあの日から


想いは強くなるばかり…


ただ、前みたいに笑ってほしい。


それだけで

今俺は前を向いてる。




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