＊＊Gravity＊＊〜F×Ki〜

love 25〜山下 ページ25

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〜２年前〜









「智久ー！早く、こっちー！！」


山「はいはい、どこまで行くんだよ。笑」


「すっごい素敵な場所見つけたの♪
　絶対に智久も好きだと思うんだー♪」


山「ふふ、ご機嫌だな」


「早く早くー！」


山「おい！あんま慌てるとっ…」



「ッ？！…キャッ」



山「っ……ッ！！！！！」









何度も叫ぶんだ。



だけど、もう自分の声すら

聞こえなくて


もう、誰にも届かなくて。



大切な人の名前さえ



忘れてしまうほど…



俺はあの時の記憶が曖昧だ。





目の前から消えて

居なくなるなんて


思ってもみなかった。




大切なのに。


失いたくないのに。



俺には、



お前しか居なかったのに。









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〜現在〜









山「っ、暑、、、？」


北「…Zzz 」


山「…………笑。ヒロ、って
　 本当の名前じゃねーだろ。」



北「…っ、じ…がや」



山「昨日も呼んでたな、…"ふじがや"」









無鉄砲に

想いのままに、生きている様が


『あの人』


と似ている気がして。


その温もりに


懐かしさを覚えて。



自分から出向いた女、

いや、男？なんて初めてだし。笑


…っていうか、


たぶんこいつ









北「ん、ー…ぁ…暑ぃ」


山「おはよ、ヒロ」


北「？？あ、そっか。山下、だったな」


山「…それで？お迎えはいつくんの？？」


北「ぇ、……は？」


山「ヒロのお仲間は、いつ頃来るの？」


北「お前、」


山「まぁほんとのところ…もう
　 探し疲れたから、別にいいんだけど」


北「……」


山「でも俺以外は何するかわかんないよ？」


北「お前、何の為にこんなことやってんだよ」


山「…だから、ヒロには関係ないって
　 昨日言ったよな？」


北「ッどっちにしろお前は、俺達から
　 大切なものを奪ったんだ。

　 ……絶対に、許さねーから。」









そう、この瞳も


穢れてない

希望の光を諦めない


この瞳が…


何より似ていたから。









ーバンッ！！！









藤「ッ北山っ！！！」






北「藤ヶ谷っ、」









何より似ていて


だけど、"ニセモノ"だから。



"本物"以外は



何も要らない。



何も、欲しくない。





……はず



だったのに。









北「ッ…？、なに、」


山「誰が離れていいって言った？」


藤「……」


北「は？」


山「"俺の"って言ったはずだけど。」








なんでだ？


無性に欲しくなる




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