＊＊Gravity＊＊〜F×Ki〜

love 18〜藤ヶ谷 ページ18

酒場からの帰り道

北山の様子が気になって

寄り道をしながら歩く途中で


思いがけない

北山からの告白…


天まで登る気持ちって

こういうことなんだって思ったんだ


すっごく嬉しくて


幸せで


堪らなく愛おしくて




だけど、


ねぇ北山…


ずっと見てきたから

わかるんだ



あの頃、

俺が大好きだった笑顔には

敵わない…


今の俺にはまだ、


これくらいしか

笑顔にしてやれないんだね


ごめんね、北山。



大好きだよ。









藤「やっぱ今の俺じゃまだ、足りないね(笑)」


北「なに、」


藤「でもそばに居るから。
　 俺ももっと強くなるから…」


北「藤ヶ谷…」


藤「北山の笑顔を、俺が取り戻すから」


北「……りがと、」









その瞳の奥に見える涙を

もう流させないから。


だから、絶対に見つけよう

ミナミちゃんと亜理砂


それと北山が守りたいみんなの大切なもの




『ハッピーエンドはお預けだな(笑)』




船に着く前に、

もう一度強く握られた手と


北山から出た言葉で


この胸に引き寄せたい想いを振り払った

そう北山が望むなら…




『そうだね(笑)全部取り戻してから』




なんとか出した答え…

それで良かった？


本当は甘えさせて、

恋人としてそばに居たかったけど

北山の事だから


"俺だけ幸せになれねー"


とか思ってるでしょ？

それなら、それでもいい。


でも、忘れないで…


どんなときでも絶対に



その手を離さない。


傷つけない。



北山は一人じゃないから、ね？









北「鼓ヶ浦のおじさん、いい人だったな」


藤「そうだね…俺の"彼女"のこと、
　 べっぴんだって褒めてくれたし(笑)」


北「っ！！あ、そういえばあん時っ」


藤「ふふ、でもそのおかげで話が聞けたでしよ？」


北「ま、まぁ…そーだけど、
　 お前の彼女じゃねーもん。」









…そうだよね、

ミナミちゃんが見つかるまでは


俺たちは、









北「藤ヶ谷の、彼氏？性別ちげーじゃん…
　 あ、でもまだお預けだったな(笑)」


藤「っ！！……北山、」


北「ん？」


藤「キスしていい？」


北「きっ？だ、ダメ！！キス禁止！！///」


藤「やっぱり(笑)寂しいなー。」


北「は、……ハグなら、おーけー」


藤「え？ふふ、うん。ありがとう」









北山の体温が

感じれる距離が


俺を強くするから。





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