＊＊Gravity＊＊〜F×Ki〜

love 15 ページ15

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藤「あとこれ、千賀に渡しといて」


宮「これは？」


藤「一人でずっと待っててくれたお礼(笑)」


宮「おー！だからガヤさんはモテるんだね〜
　 できる男は違いますな！！」


藤「はいはい、わかったから(笑)
　 渉にも少し寄り道するって伝えといて」









おじさんの言葉が

ずっと耳に残ってる…









北「……寄り道ってどこ行くんだよ」


藤「んー？少しあっちの方行ってみよ」


北「別にいーけど」









なあ、おじさん



『なんだか、君たちを見てると…
　なんだろうね、光と影の両方を感じるよ。
　でも彼女さんのその瞳に映る綺麗な光なら
　きっと影には呑み込まれない』



俺はそんな、

キレイじゃない。


みんなが居なきゃ何も出来ない

藤ヶ谷か居ないと

生きてる意味なんてない


ミナミが居ねーと、

この気持ちが押し潰されそうで


好きでもない人と

簡単に唇だって交わしたんだ


こんな俺が

綺麗なわけないんだよ…









藤「わ、見て北山！」


北「なに？」


藤「雲が切れて星が見えてる」


北「………」


藤「北山は、俺たちの"原動力"だよ？
　 旅をしようって思えたのも、北山の
　 あの言葉があったから。」





『俺たちの"大切なもの"を取り戻そう』

『絶対にもう一度、この手で掴もーぜ』





北「…あんなのただの思いつきだ」


藤「うん。たとえそうであっても、
　 俺たちのきっかけになったんだよ」


北「俺は、おじさんが言うような奴じゃない」


藤「そうかな？俺も北山のこと、
　 すっごいキレイだと思うよ…」


北「っ俺はっ！！…俺は、、、」









『大丈夫だよ、きっと大丈夫。』


『闇にしまってどうすんの？』


『いつか陽を浴びるため、
　"好き"は生まれてきた言葉なんだから』


『諦めないで』









降りかかってくるミナミの

明るい声、優しい言葉


『胸のなか』に閉じ込めていたはずの

感情をもう止められなかった


ここから一歩踏み出してもいい？


藤ヶ谷を困らせてしまうかもしれない



でも、ここ声が届くなら

藤ヶ谷の胸に響くなら



もう闇なんて、怖くねーよ。



報われなくてもいいんだ。



藤ヶ谷の『胸のなか』に

刻まれる

それだけでいい。









北「ずっと……羨ましかった。
　 亜理砂のことが、ずっと。」


藤「え？なんで、」


北「藤ヶ谷のこと好きだったから。」


藤「……………ぇ？」





そう、


好きだよ。





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