＊＊Gravity＊＊〜F×Ki〜

love 1 ページ1

俺らがあの島を出てから

既に１ヶ月…



まだ見つからない









藤「食料もだいぶ、底ついてきたな…」


北「もってあと３日くらいか」


横「燃料もそろそろヤバイかも…」


千「いったん補給しに行こう、
　 このままじゃ飢え死にしちゃうよ！」


藤「とは言え、そんな都合よく…っ？！」


横「思ったより早く着いたんじゃない？
　 最初の目的地…"風の都,蒼蓮島"」


北「そうみたいだな…よし、漂着準備だ」


二「この島は安全、なんだよね？」


宮「普通に町人も住んでるし、
　 いたって平和な島だよ(笑)」


玉「…ん？あ、着いたの？
　 ていうかこの船って
　 思ったより快適だよねー」


藤「は？」


北「ふふ、タマにはほんと救われるよ…」


藤「……北山、」









俺らの住む小さな島、

自然に囲まれて

それ以外になにもないけれど


笑い合える家族がいた

冗談言い合える友がいた


大切にしたい人がいた


それがたった１日で、

消えたんだ…


何もかも、消えた。


残ったのは

俺ら７人だけ。




『お兄ちゃんっ！！』

『えーまた太輔とケンカしたの？(笑)』

『誕生日にはお花が欲しいなー！』




その日、ありったけのお金と引き換えに

欲しがってた白とピンクの花束を買って

ミナミの待つ家に帰ったんだ







北「ミナミーっ！」



ーガチャ…



北「は、………んだよ、これっ！？」




藤「北山っ、今家に…」


北「どうなってんだよ、…ミナミっ？！」


藤「おいっ、北山！…あぶなっ」





『ゥゥウウウーーーー！！！！！』







覚えているのは、


耳にまだ残るサイレンの音…


気づいたときには

藤ヶ谷に支えられ

この船に乗っていた


あと、顔見知りの５人。

いずれも男ばかりで

女、こども、皆どこかえ消えて…


誰も居なくなった



俺の大切な、

唯一の家族…ミナミが居ない



手懸かりは

たった一つ


俺の家にも

藤ヶ谷の家にも残されてた


この文様…

７つの星に

刻まれた稲妻


たったこれだけ、

それでも探すんだ。


奪われたものを

そのままにはしない。


絶対に取り戻す。


みんなの、大切なものも一緒に。









北「そんな長くは居れないからな、
　 燃料と食料を手にいれたらすぐに…」


横「まあ、少しくらい時間取ろうよ」


千「そうだよ！久しぶりの島だよ！？」


二「船酔いから解放されるー」









わかってる、けど

そんな心の余裕…


まだ、俺にはねーよ。





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