君と僕。 〜僕らとあの子〜

２いち　＊繋がる気持ち＊ ページ27

悠太「スタート位置は？」

あ『こっち！』

即席３人4脚。
なんてメンドクサイものを用意してくれたんだろう。

でもさ。
こうやって３人でなにかするのって久しぶりかも。

そこはちょっと感謝してる。

ちょっとだけね。

祐希「紐縛り終わったけど。」

あ『よし、Let'go！！』

１・２、１・２と言う声もなしにワタシ達は走り出す。

掛け声なんていらないの。
だって気持ちは繋がってるから。

足の紐？
ううん。
心で繋がってるから、何も言わなくても自然とあってくるの。

祐希はムカデリレーのことがあったから心配していたけど、心配損なくらい好調だった。

千鶴「ちょっとゆっきー！！オレらのムカデはなんだったんだよー！！」

祐希「わざとです！」

ドーン！！

余裕があるのか千鶴の方を向き言った。

千鶴「おい、コラ―！！」

悠太「へぇ、あれわざとだったんだ。今は本気？」

祐希「漫画がかかってるからね。」

あ『そこかい。』

呆れた。
ま、祐希らしいけどね。

あ『それにしても声援すごいねぇ。君達人気あり過ぎでしょ。あーあ、後が怖いわ〜。』

２人を連れて来た時からずっと黄色い声援が飛んでいる。

悠太も祐希もかっこいいもんね。
気持ちが分からなくもない。
真ん中にいると潰されてしまいそうだ。

悠太「ホントに怖いって思ってる？」

あ『全然！来たとしてもで、だから何？ってなりそう。』

祐希「余裕ですね〜。」

あ『いや〜、それほどでも〜。』

そんな会話をしているうちにゴールテープが目の前だ。

プツン

結構まぬけな音がした。

あ『１位？』

悠太「そ、１位。」

祐希「漫画忘れないでよ。」

あ『はいはい。今日は持ち合わせがないからまたね。』

勝ったって気がしなかった。
だって後ろはまだ３人4脚が始まったばかりだもん。
結構差がついていたみたい。
全然気付かなかった。

でも、うれしいことに変わりはない。
今さらだけど歓喜が訪れてきた。

あ『・・・１位かぁ。くすっ。なんか変な感じ。週末さ、買い物行こうよ！祐希の漫画買うついでにさ。で、ワタシの１位祝って。』

祐希「オレのついでにね。」

あ『やったー！！』

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