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「もう日明けてきたな」
外を見ながら言う。
確かに、窓から青い空が見えてきている。
「もうすぐ皆さん起きて…きますか?」
みんなの起きる時間なんて分かるはずもないので、聞くしかない。
「ん、あぁ、もうすぐ起きてくんじゃねェか?」
ごちそうさん、と言い、食堂を出ていく。
ゆっくり休んでくださいね、とその背中に告げる。
…ほんと、私の周りっていい人ばかりしかいないんだから。
みんないい人すぎて、私がいてもいいのか不安になってしまうではないか。
ガラッと音がし、また食堂の扉が開く。
すると、続々と真選組の隊士さんたちが入ってくる。
ハッ、準備しよっと。
急いで立ち上がると、隊士さん達の目がこちらを見ている。
そうだよな、あたりまえか。
まだ私、みんなに紹介されてないんだった。
「あ、えっと、昨日からお世話になっております。金谷 A と言います。ご希望のご飯作りますので、その、食べたいものとかあったら教えてください。もちろん、おまかせでも大丈夫ですので…!」
そして、軽くお辞儀をする。
長々と話してしまったが、大丈夫だったろうか。
隊士さん達の顔がみるみるうちに、…笑顔になって…る?
「うぉおおおお!!昨日話だけではありましたが、女の方が来るとは聞いていました!!飯、作ってくれるんですね!よろしくお願いします!Aさん!!」
と、その方のあとに、次々と隊士さんたちが よろしくお願いします と言って頭を下げてくれる。
それに対して私も、再度お辞儀をする。
「……えっと、ご飯、作ります…ね?何がいいですかね?」
と言うと隊士さんは、声を揃えて、" おまかせで!"と言ってくれる。
元気が良すぎてびっくりした。
「…もう起きてたんですかィ、A」
隊士をかき分け、現れた総悟くん。
「おぉ?!いつも起きてこない沖田隊長が?!」
…ハハ、やっぱり、そうなんだ。
そう言われた総悟くんは、その隊士を睨みつけていた。
睨みつけられていたその隊士は、顔が青くなっていた。
…可哀想。
「そ、総悟くん、何食べたい?」
「……なんでもいいでさァ」
みんな、なんでもいいのか。
じゃあ、みんな同じでいいかな、とりあえず。
そうと決まれば早く作ろっと。
台所に駆け出し、作業にとりかかった。
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あい(プロフ) - 夢主を探している、ぎんさんのside見てみたいです!更新楽しみにしてます (2019年7月24日 23時) (レス) id: 6a8167697e (このIDを非表示/違反報告)
美闇 - 面白いです!頑張ってください!! (2019年7月23日 11時) (レス) id: 9b2e6e7bfa (このIDを非表示/違反報告)
月歌(プロフ) - これからの展開が楽しみです……!!! (2019年7月20日 23時) (レス) id: 8fe6acde2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋歌 | 作成日時:2019年7月19日 18時