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「……なあ」


という言葉に沈黙という名の時間が途絶えた。


「なんですか」


「Aは…その、俺が怖い、か?」


……え


唐突の言葉に目を丸くしてしまう。


さっきの銀さんの逆、だな。


いや、そんなことはどうでも良くて。


え?え、え?いや、まって、え?


驚きすぎて言葉が出てこない。


まさか、そんなことを言ってくるなんて。


私は咄嗟に そんなことないですよ と言ったが、銀さんはそれでも私の目を真っ直ぐ見てくる。


そんな銀さんから私は、目をそらすしかなかった。


「はい!宇治金時パフェとみたらし1つといちご大福1つね!」


再度来た沈黙を破ったのは店員さんだった。


目の前に来たみたらしといちご大福を私の方に寄せ、パフェを銀さんの方に寄せる。


「……た、食べましょう。ね?」


やっと出たその言葉。


その言葉に銀さんも おう と返事をする。


が、まだあの瞳は変わらない。


さっき放った言葉がそんなに不服だったか。


怖いです、とでも言えば良かったのか。


はたまた、私の嘘がバレているのか……


全くこの人の考えてることがわからない。


ダメだ、こんな考えてちゃ頭が沸騰する。


と思い、私は甘味に手を伸ばす。


そして、口に入れ…ー


「美味しい…」


美味しさのあまり、言葉に出てしまった。


でも本当にここの甘味は最高だ。


さっきまで自分が悩んでいることなんて忘れてしまいそうなぐらい、美味しい。


「…ふっ、あたりめェだろ。俺のオススメなんだからな。」


さっきまで怪訝そうな顔つきの銀さんが、優しい笑顔で、そう言った。


その笑顔に何故だか無性に泣きそうになった。


なんなんだ、この気持ちは。






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あい(プロフ) - 夢主を探している、ぎんさんのside見てみたいです!更新楽しみにしてます (2019年7月24日 23時) (レス) id: 6a8167697e (このIDを非表示/違反報告)
美闇 - 面白いです!頑張ってください!! (2019年7月23日 11時) (レス) id: 9b2e6e7bfa (このIDを非表示/違反報告)
月歌(プロフ) - これからの展開が楽しみです……!!! (2019年7月20日 23時) (レス) id: 8fe6acde2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:恋歌 | 作成日時:2019年7月19日 18時

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