キミとピアス３ (ページ9)

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乾杯を済ませて各自で楽しんでいると、

辰哉はみんなに絡みに行く

…お酒が入っているわけではない

いつもよりテンションの高い辰哉に、康二は違和感を覚え始めていた

康『なぁ…なんか今日ふっかさんテンション高ない？』

涼『確かに…ねぇ、ふっか。いいことでもあったの？』

それは他のメンバーも同じで、気になっていた様子

涼太が辰哉に問いかけると、少しビクッとして目を泳がせた

辰『あー、まぁ…』

不自然に濁した辰哉

その言葉にメンバー全員が辰哉に注目する

大『いいことあったの！？何々！？』

康『ふっかさん隠すつもりなん！？俺らってそんなに信用ならんの！？』

辰『わぁった！！分かったから！！ちゃんと話す！！話すから離して！！』

そう言って素直に離れるわけもなく、大介と康二にくっ付かれたまま個室が静かになり、辰哉が話し始めた

辰『あの……今までのこと、本当にご迷惑おかけしました…』

康『？……何言うてんの．迷惑なんて思ったことないで？』

大『まぁまぁ……康二、ふっかの話聞いてみよ？』

康二だけがなんのことか分かっていないようで、頭の上に沢山のハテナが浮かんでいる

辰哉のその言葉に照は1人だけ、ニヤケを抑えるのに必死なようだった

辰『……俺さ、やっと大事なことに気付けた』

その言葉に、康二以外の全員の表情がさっきよりも和らいだのを辰哉は感じた

メンバー全員が向けてくれる視線に思わず泣きそうになるのを堪える

辰『………みんなのことはもちろん、大事だよ。

でも…俺の人生の中で…何よりも大事で、

俺の隣にいてもらわないといけない人が…できました』

康二以外はその言葉をはっきりと理解した

全員が“おめでとう”の言葉をグッと堪える

照『……つまり？』

全員がニヤニヤしながら、次の言葉を待つ

辰哉の目にも、康二以外の全員が理解しているのは分かっていた

でも、やっぱりちゃんと、自分の言葉ではっきりと言っておきたかったから

辰『………彼女が、できました！』

そう言った瞬間、お祭り騒ぎのように騒がしくなった