キミとピアス３ (ページ8)

今日:18 hit、昨日:5 hit、合計:25,534 hit

．ページ8

…どうやらメンバーには言うつもりは無かったらしい

照『……知らないならいい。とりあえず、みんなには話してよ』

辰『なんで！？』

照『なんでも。…ほんっとにこの鈍感野郎は…』

辰『その言い方やめて！！』

照『事実しか言ってないじゃん笑』

辰『俺は鈍感じゃない！！』

照『自分がそう思ってるだけだよ笑』

そんな言い争いが車内に響いていた

照『ふっか、起きて』

辰『……んぅ？…ついた？』

照『うん、着いたよ』

店の近くの駐車場に車を止めた照に起こされ、辰哉は目を覚ました

大きく伸びとあくびをする辰哉

いつの間にか眠っていたようだった

照は先に車を降りると、少しだけ寒さに身を縮こませる

照『さむっ…』

冬から春に変わる季節の変わり目

昼間は暖かいのに、日が暮れて辺りが暗くなると気温はグンと下がるのだ

辰哉も車から降り、照と同じように身を縮こませるのでクスリと笑っていた

辰『着いたー……よし、早くみんなのとこ行こ！』

そう言って照の腕を引っ張る辰哉に驚く照

照『待って待って笑そんなに急がなくても大丈夫だから笑』

辰『いいじゃん！！』

照『なんでそんなソワソワしてんの笑分かったから、転けたら危ないから歩いて』

辰『おい！！おじいちゃんじゃねーよ！！』

照『なんでそうなるんだよ笑』

辰哉の表情はいつもより生き生きしていて、照はそんな辰哉を見て笑みが溢れていた

辰『みんなお待たせー！！』

予約していた店の個室に入るや否や大声を出す辰哉にメンバーは驚く

そこにはほぼ全員が揃っていて、照と辰哉が最後のようだった

翔『…誰も待ってねーよ』

辰『おぉい！！ひどいな！！』

翔太の辛辣なイジリでいつもの空気に戻り、メンバーの表情は緩んでいた