キミとピアス３ (ページ5)

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外に出た瞬間、冷たい風が俺たちを包む

隣からさむ…と小さく呟く翔太の声がしてちょっと笑えた

と…誰かがしゃがんでいるのが視界の端に映った

俺がそっちに視線を向けると、なぜかこちらを睨んでいた

俺達が出てきたのを待っていたかのように立ち上がった金髪の女の子

…年的には多分Aちゃんと同い年か、ちょっと上だろうか

その表情はどこか怒っているように見える

女の子が1歩近づき、俺は警戒して1歩下がる

翔『…うわ、最悪』

後ろでそんな声が聞こえて翔太を見ると、

女の子を見てすごく渋い顔をしていた

『…翔太、知り合い？』

翔『……ふっかの幼馴染ちゃんの友達』

『………あ、』

【“バイトの電話が来てそれの対応してたら2人ともいなくなっちゃって…”】

…あの時ふっかに電話してた子だ

翔太を視線から離さないように睨みつけるその子

…この子にもちゃんと弁解はしとかなきゃ、だよな？

【ふっかから連絡あったと思って来てみたら…渡辺さん、約束が違いますよね？どういうことですか！？】

『…えっと、君が凪良さんのお友達の子？』

【そうですけど！何か………え！？ひーくん！？】

『あ、ちょ、声おっきい！！』

【ご、ごめんなさいっ……】

突然大声を出され、思わずシーッとジャスチャーすればすぐに聞いてくれて手で口を押さえる

…悪い子では、なさそう？

【……えっと、橘真夏です。…SnowManの、大ファン、です…】

『あ、なるほど…ありがとうございます。初めまして、岩本照です』

【初めまして……本物だ…】

Aちゃんのお友達…橘さんは俺と目線を合わせずにモジモジとしてしまった

お互いに自己紹介を終えると、翔太がボソッと呟いた

翔『急にしおらしいじゃん』

【…………え？】

翔『俺の時とは大違いだな』

【ちょっと！言わないでくださいよ！】

そう言って慌てたように翔太を軽く叩こうとする橘さん

それを翔太はひらりと交わした