キミとピアス３ (ページ12)

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そんな恋愛話にメンバーが夢中になっている中、

辰哉のスマホが震えた

それに気付いた辰哉は画面を見た瞬間、ロック画面に映る彼女の姿に頬が緩む

あー、会いたいなー…でも今はみんなで飲んでるし…

先に帰るのも気が引ける

そう思ったが、それを見逃さなかったのは

翔『……何してんの。早く彼女に会いたいんじゃないの？』

辰『…翔太』

翔太だった

主役だったはずの辰哉と翔太は外れて勝手に話が広がっているようだった

照『彼女待たせんなよー笑』

辰『照…』

照『Aちゃんのところ行けば？ふっかのこと待ってるんでしょ？』

そう言う照の表情は優しくて、また泣きそうになるのを必死で堪える辰哉

照『また泣くの？笑ほんっと…年取って涙腺弱くなったねー笑』

辰『そのいじりやめろ！！照だって泣き虫のくせに！！』

照『うるせーよ笑今それ関係ねーじゃん笑』

翔『…ほら、』

少し困惑する辰哉に、翔太は軽く背中を叩いた

翔『ここは俺らに任せて』

辰『……ありがと、また助けられちゃったわら』

照『早く行きな』

辰『………うん』

そう小さく言い、辰哉は店を後にした

ピンポーン

インターホンの音の後、しばらくして玄関が開く

そこには驚いた表情の愛しの彼女の姿

「え、たつくん？」

辰『ただいま』

心底不思議そうな表情を浮かべたままの彼女と一緒に中に入り、

ソファに腰掛けて話をするのは同棲を始めて日課になっていた

「みんなでご飯行くんじゃなかったの？楽しくなかった？」

辰『んーん。そーじゃないよ。ちゃんと行った』

「じゃあ、なんで？…あ！お腹空いてなかったとか！？食欲ないの？大丈夫？」

辰『わら…違う違うわら。大丈夫、ありがとう。…あのね、A。

メンバーにAのこと話したの。Aが、俺の彼女って』

そう言った瞬間、顔を真っ赤にするA

そんな姿さえも愛おしいと思える辰哉は既にAにゾッコンである

辰『そしたらね、Aに会いたくなっちゃった』

「……え、」

辰『だから、帰ってきちゃったの』

「……そ、か…」

そのまま俯いて、何か言いたそうなのをグッと堪えるA

辰哉はそんなAの表情に優しく微笑みかけた