陸拾壱の談 ページ13
そのあとすぐに白西を抱き抱え、目を点にして口を開けている狐の皆のところへ走った。
「えっと…白西助けないと、?」
何故か疑問形になってしまったが、仕方ないこと。
まだ皆が私を見て口をかけているのだから。
誰一人…いや、一匹か。まぁとにかく誰も喋らないこの雰囲気。プレッシャーや責任感に押しつぶされそうだった。
そして、こんなに気まずい空気の中、発言した勇気と私を褒め称えるべきだと思う。
「…っは!!白西様!!」
「おい!!白西様の治療だ!」
「動け動け!」
私が声をかけて数分固まった後、現実に戻ってきた狐達は、次々に声を上げてワーワーギャーギャーと慌ただしく走り回り出した。
うるさいな。君達の頭領がしんどい時になぜ騒ぐかね。
まぁ誰も彼も頑張ってらっしゃるので何も言わんが。
数匹はお社の中へ。
数匹は薬草を採りに森の中へ。
また数匹は、水を採りに川へ行きました。
川で水を汲んでると、どんぶらこ〜どんぶらこ〜と流木が流れてきました。
そんな木を横目に狐達は川を去って行きました。
帰ってきた狐達は、早速水の入った桶を白西を寝かせているお社の中へ持ち込み、私が解析鑑定で体調を透視しながら看病する。
解析鑑定があればなんでもできるなぁ。ちーととはこのようなことだろう。
いや、そもそも私という存在がもはやチートなのでは?と最近では思うようになってしまうほどに浮かれていた。
まぁ、そんな中あんなことが起き、流石に私も目が覚めた気がする。
感覚はいつもより研ぎ澄まされているし、何より集中している。
体温が下がってきている…
私は知識人が起きたことにより寒さを感じなくなったので、羽織っていた縁壱さんのお下がりの羽織りで白西を包み抱き抱えた。
私に体温があるかどうかはわからないが、安心するかもしれない。
まぁ逆効果の可能性も無いわけではないが。
サーモグラフィー、これが解析鑑定で見れる。
本当に便利なスキルだ全く。
でも、自分は見れない。
不便なのか便利なのかわからない。
この世界矛盾しすぎて疲れる。
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aruya100(プロフ) - サヤさん» ご覧頂きありがとうございます!!出来るだけ早く更新できるよう励みます…!!!応援感謝です! (2020年12月6日 0時) (レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
サヤ(プロフ) - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2020年12月5日 23時) (レス) id: 4f60a72d2e (このIDを非表示/違反報告)
aruya100(プロフ) - 毬莉さん» ご覧頂きありがとうございます。続分かりました!30分以内に更新いたします!!応援感謝です! (2020年11月1日 10時) (レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
毬莉 - すごく面白かったです!是非続きが見たいので更新頑張ってください! (2020年11月1日 9時) (レス) id: 6812348321 (このIDを非表示/違反報告)
aruya100(プロフ) - 颯さん» ご覧いただきありがとうございます。誤字確認いたしました。修正します。お教えいただきありがとうございますm(*_ _)m (2020年5月26日 11時) (レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aruya100 | 作成日時:2020年5月21日 18時