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三日月宗近・夢 ページ43

夜も更け、皆が寝静まった本丸。









一人縁側で月を見ていると、主が酒を持って現れた。









「三日月、少し飲みませんか?」









「ふむ。少しいただこうか。」









普段短刀達と遊ぶ姿をよく見るが、今日は何故か大人びて見える。









「三日月、私はよく夢を見るの。」









「そうか……それはどんな夢だ?」









「みんなが、いなくなっちゃう夢。」









「それはちと寂しいな。」










「そう言って覗き込んだ主の顔は濡れていた。









「私、夢を見るのが怖いの。みんながいなくなっちゃうのが…………」









泣き噦る姿は、いつもの主とは違う。









明るい、元気な主ではない。









小さくて弱い、主将と呼ぶには相応しくないような、ただの少女。









「大丈夫だ、主よ。








夢ではみな離れていくが、主が住むのは夢の世界ではない。









安心しろ。おれは消えたりしないからな。









眠るのが怖いならば今夜はここで共に月を見よう。









今日は三日月だ。









そしてここにいるのも三日月。









縁起がよいと思わないか?」









主はくすっと笑って









「そうね。三日月となら大丈夫だわ。」









と言った。









か弱い主を守る。









それはおれにとって歴史を守る事より大切で。









主……いや、Aが泣かなくて済む夜を









おれがつくりたい。









いや、つくる。









そう心に誓い、夜空に浮かぶ三日月を見つめた________________。

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設定タグ:刀剣乱舞 , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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伊兎羽(プロフ) - 小夜左文字ちゃん大好き野郎さん» はい!続編の方で書かせていただきます! (2017年12月8日 21時) (レス) id: ee1870178b (このIDを非表示/違反報告)
小夜左文字ちゃん大好き野郎 - 小夜左文字ちゃんがかわいすぎます! 今度小夜左文字ちゃんだけのを 書いて下さい!恋愛系で! (2017年12月5日 0時) (レス) id: 35aa5b0053 (このIDを非表示/違反報告)
伊兎羽(プロフ) - 燈華冬花さん» 了解です!次の続編で書かせていただきます! (2017年5月1日 18時) (レス) id: ee1870178b (このIDを非表示/違反報告)
燈華冬花 - すみません、大典太光世とソハヤノツルギをおねがいします。本当に図々しくてすみません。 (2017年5月1日 4時) (レス) id: 83cfd25309 (このIDを非表示/違反報告)
伊兎羽(プロフ) - グヘェヘヘヘさん» あ、あと、続編の方で書くので、そこもよろしくお願いします〜 (2017年2月1日 17時) (レス) id: ee1870178b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊兎羽 | 作成日時:2016年12月21日 1時

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