俺とあいつと子猫の物語 (ページ10)

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俺があいつを嫌いになった理由　６ページ10

「よーし！今日はここまで！！」

及川の号令により、皆が練習を終えると、皆がいっせいにネットや支柱、ボール拾い、モップがけなど、帰るために片付けを始める。
夏目は、マネージャーの仕事を花巻達から教わっていて、今はボトルを洗っている。

洗っているが....

「国見～そんなにくっ付いてると洗いにくいんだけど....」

「気にしないでください」

「いや、気にするんだけど.... 」

国見はあの後から、ずっと夏目にくっ付いて離れない。
さっきまでは腕を組んでいて、今は夏目を後ろから覆いかぶさるように手は肩の方に回して抱きしめている。

まるで、大きい子供が親に甘えているようだった。

元気がなかった国見が、夏目が来てくれたおかげで元気を取り戻し、
今日ぐらいは部活の練習をさせなくてもいいか！っと多めに見ていたが......

「おい、国見。そこを俺に替われ...」

「いや、国見。俺にそこを替われ....」

「ちょっと、国見ちゃん！抜け駆けはダメだからね！！さぁ、俺にその場所を替わりなさい！！」

「誰にもこの場所は替われません。得に及川さんには、絶対に替われません」

「うん。私も嫌だ」

「A！？」

さっきから、国見の夏目へのアピールがハンパなく、及川達が国見の場所を替われだのいって片付けをしていないのだ。

たっく、あいつらは！！

「お前ら！！そこで遊んでねーで、片付けしろーー！！」

「痛いよ、岩ちゃん！なんで、俺だけ叩くの！？」

「俺は言っただろ？夏目ばっかに夢中になったら及川を殴るって！！」

「及川。あざーす！！」

「ちょっと！まっつ、マッキー！？なに、お礼言ってるの！？」

俺は、及川だけを殴っておいて、花巻達にはキツく説教をしといた。
後は、国見を少しはどうにかしないっと思ったら.....

「国見！！岩泉の言うとおりで、片付けしないとダメだよ！！」

俺がいようとしてた事を夏目から、国見に言ってくれたではないか。
しかも、無理矢理自分から国見の手をとっているではないか。

ちゃんと叱ってくれて、良いやつではないか！！そう、思っていた時だった。

「手が邪魔だから、ここにして！！そんで、これもって！！」

「わかりました！」

夏目はその手をお腹のほうに持ってて、国見の手にボトルを洗う長いタワシを持たせていた。そして、ボトルをタワシの中に突っ込んで、国見はそれを動かしながら一緒に洗っていた。

国見の扱いに数時間で慣れている夏目に俺は、ちょっと感心した。