俺があいつを嫌いになった理由 ９ ページ13
部活帰りに、急になじみの豆腐店の”まめきち”の揚げ出し豆腐を食べたくなって買いに行った俺は、偶然にも、数分前に学校で別れた夏目と出会った。
まさか、同じ店で、同じ揚げ出し豆腐を、同じ量だった事にも驚いたけど....
こいつは、学校から少し遠い距離を、俺と別れて数分経っているのに、同じ時間に店に来た事にも驚いている俺がいる。
そんな事を考えながら、俺と夏目は一緒に歩いて帰っているところだ。
帰ってるだが.....
「・・・・・・・・・」
さっきから、無言で歩いている.....
俺も夏目も、今日初めてあったからだろ....
部活の時も、花巻達がくっ付いて俺自身は自己紹介と別れる時ぐらいしか話していない。
だから、お互いどう話をきり出せばいいか迷っているところだろう。
しかし、その空間を切り裂く時がきた。
「い、岩泉さ〜」
夏目から話かけてきたのだ。
俺は、男なのに女の夏目から話かけるとは....
情けねーな俺は....
しかし、話しかけられたのだ、このチャンスを無駄にはできねー
こいつの思いに答えなければな....
「お、おう。なんだ？」
「い、岩泉もあの店によく来るの？」
「おう。俺、あそこの揚げ出し豆腐が好きでな。なじみの店なんだよ」
「え、うそ！私も同じ！！私、揚げ出し豆腐好きで、食べたくなったら絶対あそこでしか買わないほどなんだ〜」
「お！そうなのか！俺も、好物は揚げ出し豆腐なんだよ！！」
「マジで！」
「おう！」
そういう夏目は、目をキラキラさせて俺に話かけてくる。その光景に、初めてあった時とは違う顔で、まるで子供みたいな無邪気な笑顔だった。
「揚げ出し豆腐ってさー やっぱし、あの揚げてあるのがいいよね〜」
「そうだな！揚げ出し豆腐を考えた奴はいい事を思いついたよな〜」
「そうだよね〜」
まさか、揚げ出し豆腐でここまで話が続くとは思っていなく、かれこれ１５分は話していると思う。
しかし、夏目と話しているとすごく楽しくて、きっと花巻達も同じ事を思っているに違いない。
夏目と居ると、すごく楽しいと思ったし、それに良いやつだ。
神社で拝みながら言ってよかった。
【今年こそは、全国に行けますように。
.
.
.
.
後、この時期にいいマネージャーをありがとうございました。】
本当に、夏目がマネージャーになってくれた事には感謝している。
.
.
しかし、この後に本当に些細な事でこんな事になると思っていなかった。
俺があいつを嫌いになった理由 １０→←俺があいつを嫌いになった理由 ８
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アルテミス | 作成日時：2016年8月24日 4時
