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完全復帰まで ページ35

〜近藤side〜


「無理すんなよ、近藤さん。昨日退院したばっかだろ。」

「心配すんなって。身体も鈍っちまってるし、丁度いいくらいだ!」


あれから2週間。リハビリを終え、漸く復帰。
やる気満々なのだが、トシに病み上がりで見廻りなんかさせねェと釘を刺され、暫くの間、屯所内で書類整理となった。そして、身体を動かすのは、トシの監視の下、道場でだけと限定されてしまった。

素直に聞き入れた俺をまだ疑っているのか、無理はするなと更に釘を刺してきたのだ。


「また身体壊したら元も子もないだろうが。そうなって悲しむのは、俺達だけじゃねェんだぞ。」


そう言われて真っ先に思い浮かんだのは、当然の如くAさんだ。
そうだ、俺がヘマをした所為で、彼女に悲しい思いをさせてしまった。涙を流させてしまった。


「わ、分かった!分かったから!もう着替えて書類整理始めるから!!」


彼女の事を考えた時に限りの頭の回転は早く、急いで着替え始めた。

上着を取ろうとした時、ポケットから音が聞こえてきた。俺はもしやと思い、急いでポケットに手を突っ込み、中を漁った。

携帯を開くと、メールが受信された事が表示されていた。慌てて操作し、メールを見る。本文を見た瞬間、焦った心が一転した。


『近藤さん、お疲れ様です。体調はいかがですか?
お仕事も無理せずに、焦らず、これから少しずつ戻していきましょう。A』


暫く、画面から目が離せなかった。
何気無い、ごく普通の文だが、俺にとっては、とても心に響く言葉だった。

そんな彼女の言葉に、思い切り甘えたくなってしまった。…情けない事に、泣きたくなってしまった。
それでは駄目だと自分に喝を入れ、さっさと着替えて、トシの下へ戻った。


「まずはこれだけ渡しておく。キツくなったら言ってくれ。」

「ああ、分かった。ありがとな、トシ。…ところで、心なしか不機嫌に見えるんだが…如何したんだ?」

「あ?今俺が手に持ってる始末書増やした本人になんて怒ってなんかねェよ。」


下を向き、ぷるぷると怒りに震えているトシに、何も言葉を掛けてやれなかった。
結局ドンマイという意味を込めた苦笑をし、自室に戻り書類整理を始めた。

思い出はケーキの中→←時は違えど重なる面影



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設定タグ:銀魂 , 近藤勲   
作品ジャンル:アニメ
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アルナ(プロフ) - ハニーさん» 返信遅くなってすみません。こちらにもコメントありがとうございます!最近色々なアニメに目移りしておりますが、近藤さん愛だけは健在です! (2019年1月13日 21時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 近藤さん大好き(*≧∀≦*) (2018年11月11日 9時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 黒にゃんさん» 遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます。私も同意見です笑 最近私情でなかなか書けないのですが、これからも見てやって頂けると幸いです。是非これからも、宜しくお願いします! (2018年9月8日 21時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃん - いい話ですね。近藤さんには幸せになってほしいです! (2018年8月31日 7時) (レス) id: 77c8698518 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 桜華さん» コメントありがとうございます。どの話を選んでも、和んで頂ける様に頑張ってます!これからも作者共々、宜しくお願いします!私も銀魂2観たいなー笑 (2018年8月21日 22時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルナ | 作成日時:2018年6月23日 16時

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