【銀魂】志村家長女が、真選組局長と結ばれまして。【近藤勲】

時は違えど重なる面影 ページ34

〜近藤side〜


「私も、付けてたんです…携帯に。」


その携帯を見て、目が勢いよく見開いた。
それと同時に、一気に顔が熱くなった。

親しい人間とはよく似るもの。
以前総悟にふと言われた言葉だ。
それを言われたのは、秋祭りの少し後だっただろうか。
その時はいきなり事件が起きて、それどころではなかったが、一段落ついた頃、1つ1つ思い出して顔が緩みまくっていた時だった。

第3者から見る俺達は、それ程までに似ているのだろうか。

そう思ったら、嬉しくて堪らなくなった。


「お、お揃い…ですね。」


偶にいきなり可愛い事を言ってくる彼女の顔も仕草も言葉も全部、本当に心臓に悪い。

お揃いなんて、流星群を見た時以来だ。
あの時のペアルックは、本当に破壊力デカかったな…

今の自分の状態が、本当に憎らしく思えてきた。

だが、よくよく考えると、幸せに感じてきた。
生きて、またこうしてAさんに会えている。

きっと、この鍵が助けてくれたんだろうな。
この鍵が、俺達をまた会わせてくれたんだろうな。

…本当、俺ァ幸せ者だなあ…


「局長ー、調子は如何で…あ、Aさん！ご無沙汰です！」


何でこういつもタイミング悪いの？！折角思い出に浸ってたのに！！

そう思いながら手を思い切り握った。


「こ、こんにちは、山崎さん。山崎さんもいらっしゃったので、私はこれで。お大事にして下さいね。」


そう言ってAさんは、そそくさと退室した。
その数秒間、とても名残惜しく思えた。


「局長…もしかして、俺、お邪魔でしたか…？」

「いや、丁度話し終わったところだ。」


そこからは、真面目な話だった。
真選組の事、江戸の事、仕事の事。
隊士達の気の緩み様、それから生じる犯罪件数の増加、主に総悟がぶっ壊したものの始末書…

改めて聴くと、やはり気が沈む様な内容ばかりだ。

これらを早く改善する為には、やはり俺が早く復帰する必要があるだろう。
江戸の為に、真選組(アイツら)の為に…Aさんの為に_____。

そう、心の中で固く決意した。
携帯に付いた、幸運の鍵を見ながら。

完全復帰まで→←携帯

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