幸せを感じること ページ8
〜近藤side〜
部屋に戻った瞬間、彼女が隅で縮こまっているのが目に入った。
顔まで隠して凄い可愛いんだけど...
「他のお客さんのいる前で、あんな直球に...気緩み過ぎだ、馬鹿...」
あの時、普通の声量だったのだが、聞こえる人には聞こえたらしく、部屋に戻る最中に色々声を掛けられた。
俺は少しずつ彼女に近付き、声を掛けた。
「Aさん、顔上げて下さい。」
「…す、すみません。まだ上げられないです...」
理由は分かっている。
だけどこれだけは、直接目を見て伝えたい。
悪いと思いつつ、無理矢理体勢を崩した。
「Aさん、俺、さっきの言葉、凄く嬉しかったです!ちゃんと、好きだと思ってくれてるんだなって!…だから、伝えてくれてありがとうございました。」
Aさんは、あまり自分の意見を口にしない。
何であれ、まずは他人優先。
だからさっき、自分の口から想いを伝えてくれた事が、本当に嬉しかった。
そしてそれを間近で聞けて、死ぬ程テンションが上がった。
「そ、そんな...!…あ、あの、近藤さん...」
「は、はいッ!」
「この体勢、凄く恥ずかしいんですが...」
その言葉で俺は気付いた。
自分がAさんを押し倒している事に。
「あぁ!ごごごごめんなさいッ!!」
すぐに退き、その場で頭を下げた。
その時、何かに包まれる様な感覚を憶えた。
その正体は、Aさんだった。
口を開く直前、彼女が話し始めた。
「近藤さん、今から言う言葉は、唯の戯言だと思って流して下さい。」
「え?」
「今、心臓が破裂しそうなくらい緊張してるんです。でも、幸せって思う気持ちの方が強いんです。…貴方とずっとこのままでいたい、なんて思う程に。」
手を離れる前に、強く抱き締め返した。
全部包み込めるくらい、強く。
「それは俺も同じですよ。今、意地でも離れたくありません。俺は、貴方を護れる存在でありたい。ずっと貴方の事を好きでいたい!…だから、俺に、貴方の隣にいる権利を下さい。」
こんな女々しい台詞、自分らしくないなんて分かってる。
だけど、言わないと壊れてしまうと思った。
そして、彼女が手を離し、
俺と向き合い、真っ直ぐ言葉をぶつけた。
「それならもう、とっくに持ってますよ。…だって、私もそれを望んでいるから。」
そんな彼女に、再び体を近付ける。
顔が重なる程、近くまで____。
そして、俺達の温泉旅行は幕を閉じた。
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アルナ(プロフ) - ハニーさん» 返信遅くなってすみません。こちらにもコメントありがとうございます!最近色々なアニメに目移りしておりますが、近藤さん愛だけは健在です! (2019年1月13日 21時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 近藤さん大好き(*≧∀≦*) (2018年11月11日 9時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 黒にゃんさん» 遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます。私も同意見です笑 最近私情でなかなか書けないのですが、これからも見てやって頂けると幸いです。是非これからも、宜しくお願いします! (2018年9月8日 21時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃん - いい話ですね。近藤さんには幸せになってほしいです! (2018年8月31日 7時) (レス) id: 77c8698518 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 桜華さん» コメントありがとうございます。どの話を選んでも、和んで頂ける様に頑張ってます!これからも作者共々、宜しくお願いします!私も銀魂2観たいなー笑 (2018年8月21日 22時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルナ | 作成日時:2018年6月23日 16時