【銀魂】志村家長女が、真選組局長と結ばれまして。【近藤勲】

原因分からず ページ29

〜貴方side〜


いつも通りの朝を迎え、いつも通り朝食を作り、いつも通り、3人で会話を交えながら朝食を食べていた時だった。


「それで…ね、姉さん？！如何したんですか？！」


会話の途中で、新八が私を見た途端大声を上げた。

何が起きたのかさっぱり分からず、え？、と素っ頓狂な声を上げた私に、再び新八が声を上げる。


「如何して、"涙"を…」


言われてから自分の顔に触れて、初めて分かった。
今の会話で泣きたくなる様な事は1つも無かったし、何か思い出した訳でもない。現に今、全く悲しくない。だが、全く涙が止まる気配が無い。

これ以上2人に気を遣わせない様、朝食を切り上げ自室へ戻った。



部屋に戻ってから10分程経ったが、一向に涙が止まる事は無く、寧ろ量が増えている様に感じられた。
流石に怖くなってしまい、病院で診てもうおうと考えた。

何でもないと良いのだが…





「あー、"止涙(しるい)病"ですね。」

「"止涙病"？」


初めて聞いた病名に…否、自分が病気になったという事に驚いたという方が適切だろう。
宇宙に居た頃は、星海坊主さんのご指導のお陰で、病気になる事は殆ど無かったし、何なら病原菌を退治した事がある位だ。

そんな私が、久々になった病気だ。
深刻なものでない事を祈る。


「ええ。名前の通り、"涙が止まらなくなる"病気です。一度涙を流してから、30分以上経っても止まらなかった場合、止涙病と診断されます。最近出て来た病気なんです。それで、止涙病の発病条件なんですが…」


そこで、先生の口が止まった。
それ程言いにくいものなのだろうか…

意を決したのか、咳払いをしてからもう一度口を開いた。


「志村さん、最近何かありましたか？」

「…え？」


まるで学校の先生が生徒に対してする様な質問が飛んで来て、思わず素の自分が出てしまった。
恐らく発病条件は、自身が体験した何かが衝撃となるのだろう。


「その…発病条件がですね…自身にとって"影響を与えるもの"と直面した時なんです。それで、止涙病になった患者さんの殆どが、自身にとって"嫌な思い出を思い出した"とか、"死ぬ程悲しい思いをした"という方が多くて…」


先生は、私の事を気遣って言うのを躊躇ったのかと納得した。
だが私は、最近悲しい思いをした訳でもない。それを先生に伝えると、案の定驚きの顔を見せていた。

思い出そうとしても結局分からず、水分補給を行い、涙止剤を飲んで様子を見る様にと言われ、病院を後にした。

2つの涙→←決別は端的に

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