寝起きに団子 ページ19
〜貴方side〜
眠った総悟を叩き起こし、近藤さん達にお詫びの団子を注文し、急いで戻った。
戻って大広間に駆け込んでみれば、あの3人が並んで寝ていたのだ。
その光景に愕然としていると、ずっと3人の様子を見ていたらしい山崎さんが、全て話してくれた。
「副長達は剣の稽古が終わって、局長も今日の分の仕事が終わって、一休みと言って、眠ってしまったんです。」
「そうだったんですか。」
「平日の昼間から呑気に昼寝なんて、気ィ抜き過ぎなんじゃねェかィ。」
「お前も人の事言えないだろうが。」
起こさないよう、小声で話す。
そう言うと、立ち上がるなり踵を返し、自室に戻っていった。
そんな総悟を見送り、神楽の側まで足を運ぶ。
ずっと握っていたであろう木刀を、肌身離さず抱き締めている。
顔も心なしか、いつもより柔らかく見える。
それって、やっぱり───。
「…んん………A……」
「ッ?!」
「んがッ!!」
不意に名前を呼ばれ、四肢を広げ、1番気持ち良さそうに寝ている近藤さんを下敷きにしてしまった。
薄く目を開けた近藤さんに土下座をし、心からの謝罪の言葉を小声で投げ掛けた。
「ご、ごめんなさい!一瞬驚いてしまって...!」
「い、いや、大丈夫!それより、いつ帰って来たの?」
そこからは、自分の気持ちを落ち着かせながら、今までの事を話した。
遅くなってすみませんと、お詫びの団子を渡した。
それを見た近藤さんは、すぐに2人を起こした。
神楽の場合、今団子が顔の近くにあるから、匂いで起きそうな気もするが…
「……んぁ?あー、寝ちまったか…ふぁぁ…」
「ん〜……甘い匂いがするヨ……」
正に想定範囲内。
俺を見た土方さんは、一瞬でいつものキリッとした顔に戻し、団子に気付いた神楽は、一瞬で目を輝かせ、今にも涎が出そうな程、頰が緩み切っていた。
「起きたばかりですけど、早速食べましょうか。」
「そうするか!ザキ、頼む!」
「はい!」
「あ、俺も手伝います。」
そう言って、俺は山崎さんの後を追い、その場を離れた。
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蝶華 - ずっとキュンキュンしっぱなしです!これからも応援しています!頑張ってください! (2019年7月16日 20時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き見たいです(´・ω・`) (2018年12月26日 6時) (レス) id: a386c69c5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルナ | 作成日時:2018年6月22日 20時