これからも ページ43
〜銀時side〜
「といった感じで、無事に逮捕させられました。」
「そうか、良かったな。だが、ガキ虐めるなんて、悪い大人だなァ。」
久々にAの家に行くと、以前よりもスッキリとした顔をしていたので、何があったのか聞いたら、クソみたいな教師が来たのだという。
色々あって逮捕されたが、Aはあの野郎がまともな人間に更生してくれることを祈っていると言っていた。
かなり怒鳴ったらしいのに、どこまでお人好しなんだか。
「折角来て下さったのに、暗い話をしてすみません。今お茶菓子持って来ますね。」
と、台所へ向かうAの隙をついて、ある物を見えないように手に持つ。
俺が今持っているのは、給料3ヶ月分とか言う、アレ。
なかなか買えなくて今日になっちまったけど、もう後には引かねェ。
茶菓子を持って戻って来たAにドキドキしつつも、平然を装って1つ貰う。
「銀さんが家に来るのあの時以来ですね。」
「あの時?」
「ほら、私が誘拐された時に、夜送ってくれて…」
瞬間、Aの顔は赤くなり、自ら墓穴を掘ってしまったなと俺はニヤニヤしていた。
あの時は俺も相当テンパったが、今の俺は、赤くなってるAを弄るくらいの余裕はある。
「あらら〜Aさ〜ん、何思い出したの〜?」
「い、弄らないで下さいよ…」
「いーや、とことん弄るね。あの時俺がどんなこと考えてたか聞いてもらわねぇとな。」
「え?」
あの時、俺は無意識だろうが純粋な恋心を弄ばれたのだ。
そのお返しと思えば、安いものだろう。
思い出しながら、包み隠さず伝えると、Aはどんどん小さくなっていった。
「今も変わらず、お前が好きだ。ずっと側で守りてェと思ってる。だから、その、な、A」
「は、はい!」
「俺と、結婚してくれちゃったり、する?」
俺も何か色々暴露していく内に小っ恥ずかしくなって少し茶化したプロポーズをし、持っていた指輪を見せると、Aは固まって、更に赤くなった。
すると、おずおずと俺の手と指輪を一緒に手で包み、
「も、勿論!これからも宜しくお願いします!」
と、無事承諾を得た。
何故かそれが次第に可笑しくなって、2人で大爆笑した。あちこちに響き渡るくらいの大声で。
一般的なロマンチックなプロポーズではなかったけれど、これはこれで俺たちらしい。
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アルナ(プロフ) - 白桜姫さん» こちらにもコメントありがとうございます。なるべく早く更新出来る様に善処します! (2018年11月30日 18時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き楽しみに待ってます。 (2018年11月13日 1時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルナ | 作成日時:2018年5月12日 19時