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甘酸っぱい ページ29

〜銀時side〜


今日、ガキ共が遠出するらしく、現在1人。
する事なんかある訳も無く、何となく掃除を始めた。

押入れの下段に荷物を仕舞おうとした時、上から何かが大量に頭の上に落ちてきた。
恐らく神楽が詰め込んでたんだろう。

にしてもこんな大量な荷物詰めて…どうやって寝てたんだ、アイツ…

荷物を戻そうと体を動かした時、手元からかさっと音が鳴った。
それを掴んで引っ張り出すと、きちんと封がされている手紙が出てきた。

これもアイツの私物か…?

興味本位で見てみると、それはやはり男の字で、
でも、初めて見る字とは思えなかった。

まあ兎も角、あんな食い気だけの女を好きになる物好きの手紙を、笑いながらもしっかり読んでいった。

最後の一文を読んで、漸く気付いた。
それが、神楽宛てではない事に。そしてそれを書いたのは、今読んでいる男だという事に。

最後まで読み切る前に、恥ずかしさが込み上げてき、思い切り叫んだ。


読まずとも、鮮明に覚えていた。

『お前を世界で一番愛してる。』


この際全部伝えようと、勢いで書いたものだった。
だが、渡す勇気なんか出る訳もなく、見つからない様に箱の中にしまっていたのだ。

そう、書いたのはこれだけじゃない。
何度も、何度も書いた。
少し表現を変えたり、ひたすら好きなところを書き殴ったり…"好きだ"と書いただけだったり。

荷物を退かし、大量の手紙が入っている箱を見つけた。

もう必要無いが、1つの思い出として取っておくか。

そんな思い出に浸りながら、残りも読んでいった。
どの手紙も、自分でも呆れる程ぶっきら棒で、苦笑いしか起こらなかった。

今でこそ笑い話だが、あの時は本当に必死だったなと笑った。


「銀さん」


横から声が聞こえ、はっと振り向くと、
この大量の手紙の宛先人が居た。

状況が呑み込めず、数拍置いて驚いた。


「……うぉぉ!!何で居んだよ!お前仕事は!」

「有給休暇を頂いて、眼科に行ってきたんです。帰りに顔出そうと思ったら、インターホン押しても返事が無いし、でも、銀さんの声が聞こえたので…」


つい…と、苦笑しながら悪怯れた。
来てくれたのは素直に本当に嬉しいのだが、出来れば少し離れてほしい!
このままじゃ、手紙を見られる!!


「そういえば、手に何持ってるんですか?眼科行ってきたばかりで、どうも視界がぼやけて…」

「い、いや、お前は見なくていいから!!」


そう言った直後、俺らの攻防戦が始まった。

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設定タグ:銀魂 , 番外篇   
作品ジャンル:アニメ
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アルナ(プロフ) - 白桜姫さん» こちらにもコメントありがとうございます。なるべく早く更新出来る様に善処します! (2018年11月30日 18時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き楽しみに待ってます。 (2018年11月13日 1時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルナ | 作成日時:2018年5月12日 19時

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