幸せならそれで ページ44
〜Your side〜
もう駄目だ…頭がパンクしてしまう。
夢、はたまた幻聴が聞こえた気がしたが、覗き込んでくる彼の表情が、現実であることを突き付けてきた。
自分が言うよりも先に、こんなことになるとは思っておらず、態度で分かる程戸惑っていた。そんな私を見てサンジさんは笑っていたが、それが私の焦りと羞恥心を複雑に交差させた。
想いは同じ。なのに私がなかなか口を開かないのには理由があった。
「あ、の…サンジさん。答える前に1つ、聞いても良いですか？」
答えることを期待していたのか、私の突然の申し出に驚きの表情を浮かべていたが、すぐに勿論と返してくれた。
「……自由で、自分の感情に素直になっても、良いんでしょうか...」
一瞬間前まで思いを伝えて捨てるつもりだった私からすれば、この状況はあり得ないのだ。だが、彼が胸の内を明かしてくれたことによって、あり得る現実のことと、案外素直に認識できた。
だからこそだ。だからこそ、私も素直に打ち明けていいものなのかと悩んだ。
そんな私の悩みを、彼は簡単に打ち砕いてくれた。
「海賊は自由だよ。さっきの俺もそうだしね！そして、これからはAちゃんも。これからは仲間になるんだ。何をしようが遠慮することないよ。」
だから、もう迷わない。
悩んでも、迷っても、彼が真っ先に砕いてくれるから。
「そう言ってくれて安心しました。それで、返事と…さっき言おうとしてたことなんですが…」
「あ、ああ」
何度か深呼吸を繰り返した後、笑顔で答える。
「私も…サンジさんが、好きです。これから、宜しくお願いします。」
感じたことのない幸福感で押し潰されそうだ。
今、世界で1番の幸せ者だと思う。
1人で幸せに浸っていると、サンジさんが手で顔を隠すようにして下を向いてしまった。
まずいことを言ってしまったかとあたふたしていると、小さく掠れ気味な声が耳に届いた。
「Aちゃん、ちょっとごめんね。」
そこからは瞬間だった。
今まで目の前にいた筈の彼が、何故か横に見え、更には何かが密着している感覚が───。
そこまで整理したところで、自分が彼の腕の中にいると理解した。
それ以上は頭が働かず、羞恥心も限界を超えてたじろぐことすらできなかった。
「あー…クッソ幸せ...」
「…私も、です。」
辛うじて動く口でそう呟けば、更にきつく抱き締められ、少し力を抜くように掛け合っても、もう少しとこっちが流されてしまった。
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アルナ(プロフ) - 五月さん» コメントありがとうございます！あらら、夢主ちゃん強しですね…文才だなんて、嬉しいお言葉ありがとうございます…！ (2020年10月21日 22時) (
レス) id: 7b1df57a60 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - チリーノさん» コメントありがとうございます！キュンキュンできるよう頑張ってます！笑 当初は出す予定のなかったキャラなので、評価頂けて嬉しい限りです…！ (2020年10月21日 21時) (レス) id: 7b1df57a60 (このIDを非表示/違反報告)
五月 - サンジ目的で見ていた筈なのに、いつの間にか夢主ちゃんが見たくて来てる...アルナさんの文才からなせる業ですね!(^^)! (2020年10月21日 7時) (レス) id: e42a882344 (このIDを非表示/違反報告)
チリーノ - もうキュンキュンしっぱなし!!!ヴァルドくんカッコイイ〜(//∇//) (2020年10月19日 21時) (レス) id: c3fee6268f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルナ | 作成日時：2020年9月14日 15時
