紳士であり、海賊である。 ページ43
〜Sanji side〜
プリンセスから頼まれてガチガチ状態で隣に腰掛ければ、天使のような笑みで話し始めた。
確かにレディ3人に頼まれたという名目で看ることになったとはいえ、愛しのAちゃんのお願いとはいえ、こんな至近距離に居るなんてもうどうにかなってしまいそうだった。
だが、決して話を聞き逃すなんてことはしなかった。
大好きな人の声だ。聞き逃す方が難しい。
その流れで、この間の話のことを告げられた。
他の誰よりも先に1番に俺に伝えてくれた事実に内心舞い上がっていたが、すぐに深刻な面持ちで、俺に伝えたいことがあると震えた声で呟いた。
彼女の表情から、何だろうと少し心配になったが、待っている間に少しずつ彼女に変化が起こった。
表情は、固く強張ったものではなく、例を上げるとすれば、俺がエスコートしようとしたあの時の表情へと変わっていた。
息も荒くなり、何度も右手で左手を摩っていた。
全て横側から見えた事実で、それは俺を刺激するには充分な材料だった。
自意識過剰だ。でも俺には、彼女が恋する乙女にしか見えなかった。こんなに顔を紅潮させてるのも、息を荒くさせて言うのを躊躇わせてるのも、俺に恋をしているからとしか考えられなかった。
もう堪らなくなり、今にも抱き締めたいところだったが、彼女のためにそっと手を添えるだけに留めた。
「落ち着いた？」
本当は、もっと俺にドキドキしてほしいけど…なんて。
彼女は安堵の表情を浮かべていた。その表情を見て、俺はもう今この時から、隠すのをやめると決意した。
そこからの行動は、自分でも驚くくらい早かった。思ったことをそのまま口にした感じだ。
普段みたいに、飾った言葉を口にしたわけじゃない。
彼女にピッタリの考え抜いた告白の言葉でもない。
ありきたりな、典型的で正統派の言葉。
でも、作家の彼女には直球じゃないと敵わない。
俺自身を、言葉と態度で示さないと届かない。
「……え...え？！」
どうやら、俺の判断は正しかったようだ。
「もうどうしようもねェくらい好きなんだ。自分でもびっくりするくらい。」
付け足してそう言えば、握った手から熱が伝わり、それが嬉しくて自然とにやける。
俺はできた人間じゃねェから、今この瞬間だけでいい、なんて言えない。それに、海賊に育てられた紛れもない海賊だから、欲しいものを目の前にされて黙っていられない。
「お返事、聞かせてくれますか？」
戸惑う愛おしいレディを、見つめる。
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アルナ(プロフ) - 五月さん» コメントありがとうございます！あらら、夢主ちゃん強しですね…文才だなんて、嬉しいお言葉ありがとうございます…！ (2020年10月21日 22時) (
レス) id: 7b1df57a60 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - チリーノさん» コメントありがとうございます！キュンキュンできるよう頑張ってます！笑 当初は出す予定のなかったキャラなので、評価頂けて嬉しい限りです…！ (2020年10月21日 21時) (レス) id: 7b1df57a60 (このIDを非表示/違反報告)
五月 - サンジ目的で見ていた筈なのに、いつの間にか夢主ちゃんが見たくて来てる...アルナさんの文才からなせる業ですね!(^^)! (2020年10月21日 7時) (レス) id: e42a882344 (このIDを非表示/違反報告)
チリーノ - もうキュンキュンしっぱなし!!!ヴァルドくんカッコイイ〜(//∇//) (2020年10月19日 21時) (レス) id: c3fee6268f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルナ | 作成日時：2020年9月14日 15時
