何で、どうして ページ38
〜Your side〜
「どうかしら？」
「凄くお似合いですよ！」
「Aー、私はどうー？」
「わあ、とても素敵です！」
あれから数日後、以前約束していたショッピングに3人で出かけた。
既にお2人で見て回っていたものだとばかり思っていたが、色々都合があったというのと、絶対に私と行きたいと、態々この日を待っていたのだ。
こんなに思われて、本当に幸せだ。
楽しんでいるようで安心したが、私は心の底から楽しめてはいなかった。
『俺の仲間になれよ！！楽しいぞ！！』
この間のルフィさんの言葉が引っかかっているのだ。
確かに以前、サンジさんとそんな話をしたことがあった。海賊になるのも面白いそうだと。
その時サンジさんも、ルフィさんと同じことを言っていた。
あの時は、自分を仲間のように大切に思ってくれているんだと、唯々嬉しかった。けど今回は、そんな簡単な話じゃない。
長かった再出航の日が迫って来ての、船長直々のお誘い。
冒険したい気持ちが彼らと出会って芽生えて、より強くなった。けれど、島と仕事のことを考えると、なかなか首を縦に振れなかった。
「………る？A？」
「は、はい！」
「一通り見たから、次行きましょ！」
そう手を引かれて、折角一緒にショッピングに来たのだから、楽しまなければと気持ちを切り替える。
次の目的地は先程の店からかなり歩くので、会話に花を咲かせた。そこで、ある話題が飛び込んだ。
「ナミ、彼は大丈夫なの？Aと行くと言ったら、余計に行きたがっていたけど。」
「彼？」
「サンジ君よ。私達だけって釘刺したし、ヴァルドも交えて何かするみたいだったから良かったわ。」
切り替えたばかりなのに、彼の名前を聞いた瞬間、あり得ない程心臓が跳ねた。それだけだった筈なのに…
いつの間にか紅潮した顔を指摘されて戸惑っているのに、前にもこんなことがあったと、彼の笑顔が頭を過った。
その瞬間、漸く気付いた。
自分の気持ちに……あの"正体"に。
何故今まで、こんな簡単なことに気付かなかったのだろう。
どうして今…気付いてしまったんだろう。
今、気付くくらいなら───。
後悔するや否や、往来の真ん中だというのに、気にする余裕もなく脱力して蹲み込んだ。
今の顔は……誰にも、見られたくない。
自分でさえ、見たくない。
「ちょ、ちょっとA？！大丈夫？！」
「どこかで休みましょう。」
そうか、私…サンジさんが───。
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アルナ(プロフ) - 五月さん» コメントありがとうございます！あらら、夢主ちゃん強しですね…文才だなんて、嬉しいお言葉ありがとうございます…！ (2020年10月21日 22時) (
レス) id: 7b1df57a60 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - チリーノさん» コメントありがとうございます！キュンキュンできるよう頑張ってます！笑 当初は出す予定のなかったキャラなので、評価頂けて嬉しい限りです…！ (2020年10月21日 21時) (レス) id: 7b1df57a60 (このIDを非表示/違反報告)
五月 - サンジ目的で見ていた筈なのに、いつの間にか夢主ちゃんが見たくて来てる...アルナさんの文才からなせる業ですね!(^^)! (2020年10月21日 7時) (レス) id: e42a882344 (このIDを非表示/違反報告)
チリーノ - もうキュンキュンしっぱなし!!!ヴァルドくんカッコイイ〜(//∇//) (2020年10月19日 21時) (レス) id: c3fee6268f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルナ | 作成日時：2020年9月14日 15時
